日本共産党

2004年2月4日(水)「しんぶん赤旗」

米予算教書

軍事予算7%の増

予算局長 “追加戦費500億ドル”


 【ワシントン=遠藤誠二】ブッシュ米大統領は二日、総額二兆三千九百九十八億ドルにのぼる二〇〇五会計年度(〇四年十月−〇五年九月)の予算教書を議会に送付しました。財政赤字は過去最悪。〇四年度には五千二百七億ドルに達すると見積もられます。

 このなかで国防予算は約7%の伸びとなり、国土安全保障関連とともに「対テロ戦争」を名目にした「聖域」。戦争継続の意図をあらわにした予算案です。

 国防予算案にはイラクとアフガニスタンでの主要な戦費は計上されていません。ボルテン行政管理予算局長は二日の記者会見で、最大で五百億ドルの補正予算が「上限として必要となる」と言明しました。

 ミサイル防衛関連は、九十二億ドルと前年の七十七億ドルから19・5%増。〇五年までにアラスカとカリフォルニア両州に地上配備型の迎撃ミサイルを二十基、海上配備型の同ミサイルを最大十基配備します。

 〇五年度の国防総省関連予算案は、四千十七億ドル(約四十二兆六千億円)。〇四年度から二百六十四億ドルの増加。これにエネルギー省などの予算を加えた国防費全体は四千二百七億ドル。国防総省の予算は、連邦予算の17・8%、国内総生産(GDP)の3・6%になると見込まれています。


核兵器関連費が伸びる

 【ワシントン=浜谷浩司】ブッシュ米政権の二〇〇五年度予算教書は、核兵器の維持や開発の面でも伸びが目立ちます。エネルギー省核安全保障局が要求した核兵器に直接関連する予算は六十五億六千八百万ドルで、前年度比5・4%増加。新型核兵器開発に力点が置かれています。

 同省予算書は、新型核兵器の研究・開発の目的を「核抑止力を向上させるための国防総省の新たな要請を満たす」と同時に、「核安全保障局が将来にわたって十分な能力を持てるようにする」ためだとしています。

 この分野では、まず、地中に設置された施設を攻撃するための「強化核地中貫通弾」(RNEP)に、前年度比270・6%もの大幅増となる二千七百五十六万ドルを充てています。また、「自由な発想」によって、従来にない核兵器の開発をめざすとする「先進的核兵器構想」の分野には、同50%増の九百万ドルを要求しています。

 新型核の開発では、年を追うごとに予算が大きく膨らんでいきます。発表された〇九年度までの計画を見ると、RNEPでは、〇六年度に前年度の約三・五倍も跳ね上がることになっています。「先進的核兵器構想」でも、〇九年度には、前年度の二倍を超える予算を投入します。


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