日本共産党

2004年2月2日(月)「しんぶん赤旗」

現役労働者と受給者の暮らしを壊すもの

年金改悪 与党合意を批判

小池政策委員長


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「日曜討論」で、資料を示し発言する小池晃政策委員長=1日、NHKテレビから

 一日のNHK番組「日曜討論」では、自民、公明両党が一月三十日に合意した年金改悪案などをめぐって討論が行われました。日本共産党の小池晃政策委員長は「年金の不信をかきたてると同時に、現役の労働者と年金を受けている人、両方の暮らしを壊す中身だ」と批判しました。

 与党合意では、国民年金保険料を二〇〇五年から月額二百八十円(年間三千三百六十円)引き上げ、厚生年金保険料はボーナスも含めると毎年一万円、二〇〇四年十月から十三年間上がっていく仕組みになっています。

 小池氏は、総務省の家計調査(一月三十日)でサラリーマン世帯の年収が二〇〇〇年から二〇〇三年にかけて四十三万七千円も落ち込んでいる実態を紹介し、「サラリーマンに毎年毎年十三年間連続して一万円ずつ保険料を上げていって暮らしが成り立つのか。(一方)すでにもらえる年金は二カ月分なくなる。ふんだりけったりだ」と改悪の中身を告発。今年四月から基礎年金の国庫負担二分の一引き上げを行うことが法律で決められていたのに、それを先送りしようとしている政府・与党の責任を厳しく批判しました。

 公明党の北側一雄政調会長は、厚生年金給付水準について「(現役世代の平均収入の)50%は確保する」と述べ、パート労働者の厚生年金加入を与党合意で見送った理由について「企業側の負担増」をあげました。

 これに対し小池氏は、50%という給付水準は「夫が四十年間フルタイムで働き、妻は四十年間専業主婦という限られた家庭だけだ。共働きや妻がパートの場合は、三割、四割しか保障されない。低年金の実態自体が大問題だ」と指摘。パート労働者の年金問題では「正規雇用と非正規雇用との賃金格差がどんどん広がっている。そこの手当てをせず、ただ単に(厚生年金)適用を拡大し、とれるところから(保険料を)とるというのは姑息(こそく)な増収策でしかない」として、無権利状態におかれているパート労働者の賃金、雇用条件を支えることが先決だと主張しました。

 また、「給付も負担もセットだ」(北側氏)として、国民に負担増だけをもたらす議論に、「給付と負担だと言い出すと、給付を上げれば負担を上げる。給付を下げれば負担を下げるという議論にしかならない。税金の使い方を変えて年金を支えるという国の責任の議論がまったくない」と批判しました。


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