日本共産党

2004年2月1日(日)「しんぶん赤旗」

国連・子どもの権利委員会

競争教育など改善遅い

日本政府を厳しく批判


 【パリ=浅田信幸】子どもの権利条約の実施にかんする第二回日本政府報告の審査をおこなっていた国連・子どもの権利委員会は三十日、報告に対する最終所見をまとめました。その中で同委員会は、一九九八年の勧告で指摘された同条約実施で「十分な進ちょくはなかった」と批判し、改善を改めて勧告しました。

 ジュネーブ国連本部が明らかにした報道発表文(仏文)によると、委員会は日本政府が子どもの「性的、商業的搾取」を規制する行動計画を策定したことなどには「満足をもって留意」するとしています。しかしその一方で、日本での関連国内立法が「子どもの権利条約の原則と規定を全面的には反映していない」と指摘。人権委員会の創設についても、これが法務省の管轄の下に置かれることは「同機関の独立性についての懸念を抱かせる」と指摘しています。

 また家庭や学校などで子どもの意見やプライバシーが尊重されず、学校の内外での政治活動が規制され、個人的な通信にたいする検閲や干渉がおこなわれていることにも懸念を表明しました。

 同委員会による勧告は五年に一度おこなわれています。一九九八年の勧告では、競争意識をあおる教育制度が子どもの成長をゆがめているとして現状の改善とともに、差別問題、校内暴力などの問題の解決が提起されていました。一月二十八日にジュネーブの国連本部でおこなわれた国連・子どもの権利委員会での審査では、多くの委員から、この勧告にたいする日本政府の対応の遅れに厳しい批判の声があがっていました。

 日本政府は、今回の新たな勧告を受けて、二〇〇六年五月までに、改善の取り組みについての報告を書面で提出することになります。


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