日本共産党

2004年1月31日(土)「しんぶん赤旗」

国連委

「子どもの権利条約」実施問う

審査で日本を批判


 【ジュネーブ=浅田信幸】日本が「子どもの権利条約」を批准して十年。国連・子どもの権利委員会は二十八日、国連欧州本部のあるジュネーブで、日本政府が条約にもとづく義務をどう果たしてきたかを問う審査を実施しました。日本のNGO(非政府組織)の代表ら約九十人が傍聴、日本共産党からも林紀子参院議員と児玉健次前衆院議員が参加し、審査を見守りました。


 審査は今回が二回目。五年ごとに実施され、前回一九九八年には、「高度に競争的な教育制度」が子どもたちの発達のゆがみを引き起こしているなど、異例ともいえる厳しい改善提案・勧告が出されました。今回は、勧告を踏まえた五年間の実施状況についての日本政府報告(第二回政府報告、二〇〇二年十一月)と委員会の追加的質問に対する回答(〇三年十一月)を審査しました。

 この政府報告と回答については、「前回の報告からどういう前進があったのかが示されていない」(ドイツのクラップマン委員)などの意見が出されました。

 また各委員は、「教育の競争によるストレス軽減の根本的な対策は何か」(アルゼンチンのリウスキ委員)、「夜間学校廃止では子どもの意見が取り入れられたのか」(クラップマン委員)など、具体的な問題で質問しました。

 文部科学省の代表は、カリキュラムや校則問題で「子どもの意見を聞く機会を設けなければならないとは考えていない」と答弁。委員から「答えになっていない」とたしなめられる一幕もありました。

 まとめの発言で韓国の李委員は、審査を踏まえてまとめられる最終所見で「五年間に進ちょくがなかったことは指摘されるだろう」とのべました。

 本審査に先立ち、委員会は二十七日、「子どもの声を国連に届ける会」代表の高校生の生の声を聞く予備審査を実施。女子高校生の一人が意見表明で、学校でいじめにあい、親に伝えられなかったことを涙ながらに訴えると、もらい泣きする委員の姿もありました。

 委員会の勧告を含む最終所見は二月上旬にも発表される見通しです。


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