日本共産党

2004年1月25日(日)「しんぶん赤旗」

ここが知りたい特集

増税や年金改悪が雪だるま式 小泉内閣

7兆円の負担増 あなたを襲う


 医療、年金、介護、雇用…。小泉内閣がこれまでに国民に押し付け、これから押しつけようとしている負担増が、増税と社会保障の改悪でずらりとならびます。同内閣が、すでに法律で決めた負担が四兆円超(平年度、起点は二〇〇二年度)。さらに、〇四年度政府予算案では、〇六年度までに(小泉首相の自民党総裁任期は〇六年九月)、年間三兆円の新たな国民負担増を押しつける計画です。その中身を見てみましょう。


働き盛りから高齢者まで

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日だまりで歓談する人たち=東京都内

 小泉内閣による負担増の特徴は、負担増が、時期をずらして次々と国民をおそうことです。その結果、〇六年度には合計七兆円を超える大きな痛み(平年度、〇一年度と比較した負担増)が国民に押しつけられることになります。

 負担増はくらしにどんな影響を与えるでしょうか。

 小泉内閣による負担増は、働き盛りから高齢者まで、幅広い世帯に及びます。

 例えば、高齢者の夫婦世帯(夫の年金額二百六十万円、妻の年金額八十万円)の場合、年金改悪と年金課税の強化などによる影響が、介護保険料や国保料にも及び、今後新たな負担増は、約十二万円になります。

 働き盛り世帯(サラリーマンの標準世帯=サラリーマンと専業主婦、子ども二人の四人世帯、平均的年収六百二十二万円)では、小泉内閣発足以降、政管健保保険料値上げなど、すでに課せられた負担増が四万六千円、今後〇六年度末までの負担増は九万五千円にのぼります。

グラフ

景気回復にも悪影響与える

 長引く不況や大企業によるリストラの影響で、国民の所得(雇用者報酬)は減っています。小泉内閣のもたらす連続負担増は、国民所得が増えていた時の橋本内閣時代の九兆円負担増以上の打撃を家計と経済に与えかねません。

 第一生命経済研究所は、〇四年度税制「改正」と年金制度「改革」による負担増が、国内総生産(GDP)を〇四年度に0・12%、〇五年度に0・34%押し下げると試算しました。

 この試算を示したリポートは、「先行き不安が募(つの)る現状では今回の税制『改正』がもたらす増税額以上に消費者が感じる負担は重いといわざるを得ず、消費が冷え込むリスク(危険)は避けられない」と指摘。小泉内閣がもたらす負担増が、「実体経済にあたえる負の影響は大きい」と警鐘を鳴らしています。


表

消費税率の引き上げ狙う

 庶民に負担を押し付ける一方、〇四年度政府予算案でも、巨額のもうけをあげる大企業グループに有利な減税などが盛り込まれました。「都市再生」の名で大型事業の重点化も図っています。道路公団「改革」でも、ムダな高速道をつくりつづけることを決めました。

 予算の浪費構造を温存したままで、財政難を口実に国民に連続負担増を押し付け、国民に悲鳴を上げさせた上で、小泉内閣が用意するのが消費税増税です。

 十九日から始まった通常国会。小泉首相は「与党税制改正大綱を踏まえ、中長期的視点に立って税制の抜本改革にとりくむ」(所信表明演説)と訴えました。

 与党の自民党、公明党による税制「改正」大綱は、〇七年度をめどに「消費税を含む抜本的税制改革を実現する」と明記し、消費税率の引き上げを時期を示して打ち出しました。

 小泉首相の所信表明演説は、事実上の消費税増税宣言といえます。

政治の流れを変えてこそ

 今、大事なことは、必要のない公共事業や軍事費など、税金の使い道をあらため、社会保障を予算の主役にすえる歳出改革をおこなうことです。

 そして、将来は大企業と高額所得者に応分の負担を求める歳入の改革をすすめることで、国民のくらしを支えながら、財政危機も打開していく道が開けます。



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