日本共産党

2004年1月24日(土)「しんぶん赤旗」

暮らし守る対案ここに

参院本会議 西山議員、首相に迫る


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 日本共産党の西山とき子議員は二十三日の参院本会議で、国民のくらしにかかわる問題で質問。「大企業・財界主役の政治」から、「くらしを守り、国民が大切にされる政治」に切り替えるための対案を小泉純一郎首相に提起しました。

年金 国庫負担引上げへ歳出見直しなど提案

 国民の不安をもっともかきたてている問題として、第一に取り上げたのが年金制度の問題です。

 政府・与党の年金改悪計画は、厚生年金の保険料率引き上げと給付引き下げを、国会の審議抜きで自動的に行う仕掛けをつくるものです。今でさえ低い国民年金の給付水準をさらに二割カットすることも狙っています。

 「国民から怨嗟(えんさ)の声が起こるのは当然」と指摘し、負担増計画の撤回を求めた西山氏は、基礎年金への国庫負担率をただちに二分の一に引き上げるよう求めました。

 そのために必要な二兆七千億円の財源として三つの提案を紹介しました。(1)道路財源を一般財源化し、軍事費を削減するなど歳出を見直す(2)雇用を確保して年金の支え手を増やす(3)百七十五兆円の厚生年金積立金などを計画的に活用する──というものです。

 例えば、道路特定財源でも毎年国に持ってくるお金は三兆五千億円もあります。世界でも突出した五兆円もの軍事費やむだな公共事業を削れば、財源は十分あります。

 西山氏はさらに、将来的には、厚生、共済、国民の各年金などを土台として、加入者全員に一定額の給付を保障する「最低保障年金制度」の確立を提案しました。

 首相は、負担増を否定できず、「年金を支える力と給付の均衡をとる」とごまかしました。また「安定した財源を税制改革により確保しなければならない」「(税制論議の中で)消費税の議論が行われるのは当然だ」と述べ、消費税増税を展望していることを否定しませんでした。

中小企業 対策予算の増額と地域金融活性化を

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 「日本経済の再生というならば、家計をあたためること、全事業所の99%を占める中小企業の活性化が不可欠です」

 西山氏は「中小企業予算は、条約上負担の義務がない米軍への“思いやり”予算の四分の三以下でしかない」とただし、増額を要求しました。四月からの消費税の免税点引き下げの凍結を求めるとともに、中小企業のための地域金融を守る対策を求めました。

 政府・金融庁は、昨年末の足利銀の破たん・一時国有化に際し、米国仕込みの厳しい検査基準を導入して、地域金融機関の強引な「再編」を進めています。中小企業向け貸し出しは三年間で四十五兆円減少しています。

 西山氏は、中小企業の実態を無視した検査を改めるように求めるとともに、中小零細業者への融資を拡大するため、「地域金融活性化法案」の制定を提案しました。

雇用・子育て サービス残業是正保育予算増を要求

 十二月になっても四割の高校卒業生の就職が決まっていないなど、とくに若者の雇用情勢は深刻です。一方で、サービス残業が横行し、就職できた若者も過労死、過労自殺にまで追いやられる現状もあります。

 「違法なサービス残業をなくすだけでも百六十万人の新規雇用が生まれる」と述べた西山氏は、大企業の過重・長時間労働と違法なサービス残業をただちに是正させ、雇用を拡大するよう求めました。

 子育て支援では、乳幼児医療費無料化を国の制度にまで発展させるよう求めるとともに、保育所に入れない「待機児童」の問題を取り上げました。

 厚生労働省は二〇〇一年から、従来「待機児童」に含めていた国の基準以下の保育施設を利用する児童を除外した「新定義」を採用。「待機児童」問題で“数のごまかし”を行っています。その新定義でも昨年四月の待機数は二万六千三百八十三人。従来の定義では四万二千八百人にものぼります。

 ところが小泉内閣は、保育所の民営化、営利企業の参入を認める一方で公立保育所を二年間で三百三十四カ所も減らし、今ある施設に子どもたちを詰めこもうとしています。

 西山氏は「都市部の保育所はどこでもいっぱいです。廊下でごはんを食べています。お昼寝のふとんは重なり合っています」と述べ、公立保育所予算の削減(一般財源化)をやめるなど、国の保育予算を抜本的に拡充するよう求めました。


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