日本共産党

2004年1月15日(木)「しんぶん赤旗」

「韓国」「北朝鮮」と呼ぶわけは?


 〈問い〉 日本共産党は以前、南朝鮮、北朝鮮と呼んでいたのに、最近は韓国、北朝鮮と呼んでいるのはどういう理由からですか。(新潟・一読者)

 〈答え〉 長い歴史をもつ民族国家であった朝鮮は、日本の天皇制政府に三十五年にわたる植民地支配を受け、第二次世界大戦後、アメリカとソ連の占領のもと人為的に分断されました。こうした状況で生まれた南北の両政権は、長い間、自国が朝鮮全体を代表すると主張し、両国の呼称の問題も、どちらを代表とみるかという立場と関連してとらえられてきました。

 この時期、日本共産党は、朝鮮民族の悲願である統一をあくまで支持しつつも、一方の政権だけを朝鮮全体の代表と扱うことは現実にも反し、統一の課題にも背くと指摘してきました。日本では南北を含める場合、朝鮮と呼ぶのが普通なので、両国の略称も、どちらかが全体を代表するという響きがなく、また分断国家への一般的表現にしたがった「南朝鮮」「北朝鮮」という呼称を用いていました。

 しかし一九九一年に、南北の国連同時加盟が実現しました。これは国際社会が、どちらか一方が朝鮮全体を代表するというのでなく、朝鮮の南北それぞれの部分を代表する政権として双方を認めたことを意味します。この結果、たとえば「韓国」と呼ぶことが南を「唯一・合法政府」とする立場ととられることなどは、なくなってきました。

 他方、長い分断の間に、北では「朝鮮」、南では「韓国」の呼称が定着しました。南では「朝鮮」を用いることも少なくなり、南の政権をもっぱら「南朝鮮」と呼ぶと北側の立場に立っているかのように誤解される危険性も生まれてきました。歴史的にも、朝鮮の李王朝が一八九七年に国名を「大韓帝国」(韓国)と改称していたのを、日本が一九一〇年に併合し「朝鮮」と改称させた経緯もあります。

 これらの点をふまえ、日本共産党は一九九七年から、南の社会や政権そのものを呼ぶときは「韓国」を略称としています。

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 〔2004・1・15(木)〕


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