日本共産党

2003年12月11日(木)「しんぶん赤旗」

年金保険料 年収18%

首相、引き上げへ調整指示


 小泉純一郎首相は十日、二○○四年の年金制度改革について、将来の厚生年金の保険料を年収の18%(現行13・58%、労使折半)まで引き上げ、これを上限とする方向で政府・与党内の調整を進めるよう厚生労働省に指示しました。

 保険料負担に関しては、同省が20%上限案を提示。財界は、企業経営を圧迫するとして、15−16%の水準にとどめるよう求めていました。

 給付水準は、先に与党間で合意した現役世代の平均的収入の50%以上を確保するとしています。

 ただ、財界などには、保険料負担の大幅な引き上げに反対する声も依然として強く、調整が難航する可能性も残されています。


解説

50%給付保証なし

 もともと厚労省案は、厚生年金保険料を現行13・58%から20%に引き上げる一方、給付水準は現役世代の六割から最低五割まで引き下げるというものでした。保険料18%の場合、厚労省の試算では、給付水準は49・5%と50%を割り、少子化進行と経済悪化が重なればさらに45%程度まで落ち込みます。

 政府は給付水準を50%にするため、高額所得者の保険料増収策なども検討し、数字のつじつまを合わせようとしています。しかし、経済の見通しなど前提条件が狂えば、50%給付の保証はありません。

 しかも、試算は基礎年金の国庫負担を来年度から二分の一に引き上げることが前提ですが、政府は段階的な引き上げにとどめたうえ、肝心の財源はいまだに明確にしていません。

 これでは、「将来の安心」には、ほど遠いものです。(坂本健吾記者)


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