日本共産党

2003年10月24日(金)「しんぶん赤旗」

ムダの典型/東京湾横断道に

談合・政治家介入疑惑

藤井総裁喚問で真相を


 日本道路公団の藤井治芳総裁が道路行政にからむ政治家介入の一端を明らかにしはじめ、大きな政治問題として注目を集めています。同総裁が建設省課長時代に強く推進した「ムダの典型」、東京湾横断道路(建設費一兆五千億円)でもこれまで入札談合や政治家介入の数々の疑惑が国会で指摘されており、参院での証人喚問で藤井氏の口から真相を聞くことが求められています。


共産党、93年に談合追及

写真

ガラガラで「ムダの典型」、東京湾横断道路

 「道路行政のドン」といわれた藤井氏は旧建設省時代から、全国各地の高速道路建設を進め、政治家との深いかかわりがありました。

 なかでも、大赤字となっている東京湾横断道路(東京湾アクアライン)は、藤井氏が建設省有料道路課長(八五年十一月−八七年一月)時代に熱心に推進したもの。この道路は、中曽根政権の時、民活方式で着工され、第三セクターの民間会社(東京湾横断道路株式会社、TTB)が建設主体になりました。

 九三年、日本共産党の中島武敏衆院議員(当時)は、会計検査院提出の資料などをもとに東京湾横断道の六つのトンネル工事の工区の予定価格と落札価格を調査。この結果、すべて予定価格の99・7%で落札されたことがわかり(表参照)、談合がなければありえない入札結果だったことがうきぼりになりました。

 さらに、政治家の介入についても、当時、大手ゼネコンの談合を取り仕切っていた故植良祐政飛島建設元名誉会長が、東京湾横断道路の川崎トンネル工事で、自民党の故金丸信前副総裁に働きかけ、逆転受注に成功しました。植良氏自身、「工事受注のため金丸氏に支援をお願いした」と証言。TTB社長も、業者選定の裏で「有力政治家の名前も随分出たな」と認めています。こうした経過のなかで、全体の建設費も当初予定の一兆千五百億円から大幅にふくらみました。

 日本共産党は一連の疑惑を当時から国会で追及。建設相も「問題を感じる内容」と答えざるを得ませんでした。

日本共産党が調査した東京湾横断道路トンネル工事の入札状況(単位千万円)

(JV=ジョイントベンチャー、共同企業体)
工区落札企業予定価格(A)落札価格(B)B/A(%)
川崎トンネル浮島北工事熊谷組・間組・日本国土開発 JV2,3592,35299.7
同浮島南工事清水建設・佐藤工業・竹中土木 JV2,3042,29899.7
同川人北工事鹿島建設・鴻池組・住友建設 JV2,5682,56299.7
同川人南工事飛島建設・奥村組・青木建設 JV2,6762,66999.7
中央トンネル川人北工事西松建設・戸田建設・銭高組 JV2,5212,51499.7
同川人南工事大成建設・東急建設・五洋建設 JV2,624.52,61899.7

民主・菅氏も賛成

 東京湾横断道路建設を法的に保障した「東京湾横断道路建設特別措置法」(八六年四月成立)には、自民、公明、民社の各党とともに、当時、社民連所属議員だった菅直人民主党代表も賛成していました。


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