日本共産党

2003年10月21日(火)「しんぶん赤旗」

「彼の健康、会社が奪う」

東京・渋谷のトーク集会での発言

犠牲強いる社会に未来ない

幸せな家庭へ、共産党躍進を


 雇用、平和、年金、消費税の四つをテーマにおこなわれた青年と日本共産党衆院候補とのトーク集会(十一日、東京・渋谷区)=十三日付既報=で、「私の選挙への思いを書いてきました」と恋人の労働体験を訴えた松田志野さん(27)=仮名=の発言を紹介します。主催は党青年支部と日本民主青年同盟です。


 私の彼は大手カメラメーカーでデジタルカメラの設計技師をしています。

土日もなく

 以前は、大好きなオーディオの設計をしていましたが、不景気の影響で会社の経営が傾き今年の一月に転職を余儀なくされました。

 仕事柄、納期が近づくと毎日午後十時近くまで残業し、土曜日、日曜日も休みなく出勤という日々が数カ月続きます。今年の三月、彼に初めて大きなプロジェクトが任されましたが、中途採用の彼に仕事を教える人はなく、出来上がった設計をチェックすらしてはくれません。

 そんななか、彼は会社の近くに引っ越しをしました。以前の家から通ったのでは通勤に四時間かかるためやむを得ずです。しかし、引っ越しで休日出勤できなかったことを会社で責められ、同時に、任されたプロジェクトにミスが発生した責任を押しつけられ、それまでの過労や、転職、引っ越しに伴うストレスがたまって精神のバランスを崩し、ついに病気になりました。

 常に会社の人に見張られているという強迫観念にとらわれ、幻聴が聞こえるようになり、「家の中が盗聴されている」「跡をつけられている」などと言うようになりました。一カ月で体重が五キログラム落ち、髪も抜け、家で口をきくことすらなくなりました。日に日に衰えてゆく姿を見て「このままでは彼は会社に殺されてしまう」、そう思い、労働相談所に相談したところ、病院に通院することになり闘病生活が始まりました。

まるで別人

 まるで別人のように変わってしまった彼と「もう一度元の姿で、人格で話がしたい」。私の思いはそれだけでした。人間として、このような不当な扱いで大切な人を奪われる悔しさに憤りを覚えました。

 幸い、カウンセリングと投薬、家族や友人の温かいサポートのかいあって、彼はみるみる元気になり、いまではすっかり元に戻りましたがまだ投薬は続いています。

 気がつけば半年近く日本民主青年同盟の班会議にも行けずにいましたが、自分がそれまで民青同盟で学習してきたことや、その間も絶えず連絡をくれ、さまざまなアドバイスをくれる仲間が、彼との闘病生活を支えてくれました。

 渋谷地区ではこの間ずっと、青年の雇用問題について学習しています。そうしたなかから、労働力がモノのように扱われない、一人ひとりの人間が大切にされ人間らしく生きる社会を日本共産党がめざしていることをあらためて学び、感動しました。私たちの生活、生命を守ってくれるのはこの党しかない、そう思いました。

 今、日本中で多くの若者が残業に苦しみ、生活、健康、生命、あらゆるものをすり減らして働いています。そして、私のような多くの家族が本人の健康を気遣い涙を流しています。誰かの生命の犠牲の上に成り立つ社会に未来などあるはずがありません。日曜日の夜中でもこうこうと明かりがともる企業、その下で働く人々が一時間でも一分でも早く家に帰れるように、そしてそのことにより雇用が増え、失業で生存権が奪われる人が一人でも多く救われるようにという思いを込め、「『青年に仕事を』 政府は真剣にとりくんでください」の署名を訴え広げてゆきたいと思います。

署名広げる

 先日、私の熱い思いを聞き、彼がみずから署名用紙を取ってきて署名をしてくれました。この訴えは多くの若者に幅広く受け入れられるものだと思います。来年結婚しようと思っている、未来のダンナの健康を守り、幸せな家庭を築くためにもこの署名を広げ、今回の総選挙での日本共産党の躍進につなげてゆきたいと思っています。


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