日本共産党

2003年10月20日(月)「しんぶん赤旗」

同時報告 イスラム首脳会議

日本共産党参院議員 緒方 靖夫

共存と対話の重要性実感した5日間


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17日、OIC首脳会議閉会総会で、OIC事務局のハビット政治局長(左)と再会を喜び、談笑する緒方靖夫党国際局長(神田米造氏撮影)

 個々のイスラム国の訪問や会談も興味ありますが、一堂にイスラム諸国が会合する場に初めて参加して、同じイスラム諸国会議機構(OIC)加盟国でも国情も歴史も国の模様も多様であることに圧倒される気持ちで、この五日間を過ごしてきました。100%イスラムの国や、加盟国モザンビークのように20%がイスラム教徒の国もあります。さらに、私たちと同じゲストで来ていた南アフリカはイスラム教徒が1%しかいません。そんな国からも参加があるのです。イスラム内部の共存と対話の重要性も、この会議で実感したことでした。

 多忙な会議に出席する一方で、あるときは締め切り時間と競争しながら、カバンからパソコンをとり出し新しい体験を会場で書いていくだいご味を久しぶりに経験しました。昼の食事を抜かすこともあり、腹ペコなのに、不思議な充実感と高揚感を味わいました。マレーシアの友人に、不思議そうに「なぜ大切な食事を抜かして仕事を先にするのか」と問い詰められたことも楽しい思い出です。

 OIC事務局のバヒット政治局長とは閉会総会でやっと会えました。彼は、寝る間もないほど大会運営の中心にいた人で、会場で彼の席に会いにいっても、いつも不在で作業中とのことでした。昨年十月にジッダ(サウジアラビア)の事務局で彼と会談し、それがきっかけで今回の参加になったのです。彼に手紙を書き、参加の手続きの手ほどきをうけたのです。

 先月にもらった彼からの返事で、マレーシア政府に申請することがわかりましたが、その最後に「クアラルンプールで再会を」という言葉で結ばれた通りになったことを互いに喜びあい、私からは心からのお礼をのべました。そして、彼は「これからのイスラムの各種会議やセミナーには、ゲストとしての席が用意される」とのべました。

 OICの機構の強みは、多数の人員をそろえた常設の事務局をもっており、日常活動を進めることができることです。外部からの連絡も容易で安定しているのです。

 今回の参加の件で、マレーシア政府との折衝の窓口となったユゾフ・アーメド大会事務局長・大使とは会場で何度も顔をあわせました。彼のスタッフも本当によく協力してくれました。

 サウジアラビアからは、リヤドで会談したアッカーズ諮問評議会外交委員長が来ると聞いていたので、会場でいつも探していました。サウジは二百五十人の大代表団ですから、なかなかみつかりません。

 閉会総会のときに、サウジの席に行くと、並んでいる四人の代表は、王族・閣僚でアッカーズ氏よりも上位の人ばかりです。それでためらっていたのですが、最後の機会なので尋ねると、来られなくなったが、「彼をよく知っているのでメッセージを伝える」といってくれました。

 同行の神田さんは、どこでも持ち前のずうずうしさで写真を撮ってきたのですが、この場面ばかりは、民族衣装から発せられる独特の雰囲気に圧倒されてシャッターを押せなかったといっていました。この方は会議でOICへの寄付を発表した財務大臣であることを後で知りました。

 カタールのホレイフィ・アジア・アフリカ局長は、「今度の初めてのOIC会議参加が最後にならないでね」と声をかけてくれました。イスラムの友情と温情にむせぶ思いの五日間でした。


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