日本共産党

2003年10月13日(月)「しんぶん赤旗」

国会議員を引退する6氏のあいさつ


 今期限りで衆院議員を勇退する不破哲三議長が10日の総選挙勝利をめざす党国会議員団決起集会でおこなったあいさつと、同日の党議員団会議で5人の勇退議員がおこなったあいさつを紹介します。


悪政を打ち破る決意と自覚もった“野党らしい野党”こそ(大要)

党国会議員団決起集会で 不破哲三議長

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 国会活動三十四年になりました。国会で三十四年というのは、日本共産党としては最長の記録のようであります。しかし、記録というのは突破されるためにあるものです(笑い)。みなさんがこの記録を突破する息の長い活動をされることを、まず最初に望みたいと思います。(拍手)

 その第一歩が今度の選挙戦です。この選挙戦でがんばって、必ず当選して戻ってくる。しかも、仲間を連れて戻ってくる。そのためにみなさんが大奮闘されることを、心からまず願うものであります。

 私たちについていえば、国会活動から離れるということは、国民のたたかい、政治のたたかいからいえば、いわばたたかいの持ち場が変わることであります。同じ目標で、同じ立場で、どんな問題でもみなさんとがっちり腕を組んで、今後ともたたかいぬくつもりであります。

 その立場で、今日火ぶたを切られた選挙戦の気構えについて一言述べたいと思います。

 この選挙戦は、二十一世紀的な視野を持った変革の党として、たたかいぬこうではありませんか。私はその眼目が二つあると思います。

 一つは、「改革」という言葉が大はやりの今の政界です。そのなかで、誰のための改革なのか、悪政のどこにメスを入れる改革なのか、その改革の性格と方向、やり方を正面から押し出して、ここに本当の国民のための改革があるという真価を大いに国民みんなのものにしようじゃありませんか。(拍手)

 自民党の政治の大枠をかえないで、あれこれの改革をうんぬんする、こういうやり方では、いま国民と日本がぶつかっているどんな問題にも答えが出ません。その限界は、日増しに明らかになりつつあります。だからこそ、「日本改革」であります。

 私たちの改革と他の諸党の改革のどこが違うのか。私は、はっきりしていると思います。まず、私たちが「財界が主役」という政治に対して、明確な批判を持っており、これを変えなければいけないと思っていることです。

 さらに、私たちは「アメリカいいなり」の政治に対して正面から対決し、その一番の根にある安保条約をなくすという展望を持っていることです。だからこそ私たちは、本当に日本の政治を大もとから変える「日本改革」が提案できるのです。またどの具体的な問題をとっても、そこに日本共産党ならではの政策と性格と特徴が出てくるのは、そこにあります。そのきわだった私たちの特徴を、大いに選挙戦、政策戦で押し出してたたかおうではありませんか。(拍手)

 第二に、今の日本の政治には、非常に今日的な特徴があります。それは、小泉内閣が、今日ただいま国民に痛みを与える悪政を強行しているだけでなく、自民党と財界勢力がそれにつづく大悪政――憲法改悪と消費税大増税という大悪政を計画し、その用意を始めているただなかで、今度の総選挙が行われるということであります。

 次の悪政の旗まで公然と掲げられている、こういうときには、悪政に正面から立ち向かい、これを打ち破る決意と自覚と立場をもった政党―そういう“野党らしい野党”こそ、国民が求め、またいまの国政が求めている政党であります。

 そのことを今度の選挙では、大いに国民に語りぬこうではありませんか。(拍手)

 “政権入り”に気をとられて、野党の立場を忘れてしまい、悪政に対しても反対するのでなく、逆にそれに近づいて、いわば財界勢力やアメリカから“政権担当能力”を認められようとする、そういうやり方の政党では、国民の利益は守れないのです。(拍手)

 そういう点でも、本当に悪政とたたかいぬく党こそが必要なときであります。悪政とたたかいぬく政党こそが、自民党の政治に代わる新しい政治をおこす力を発展させることができ、新しい政権を準備する道を進むことができる。これが私たちの不動の確信であります。

 この二つのカナメをしっかり握って、今火ぶたが切られた選挙戦を、国会議員団が全党の先頭に立って堂々とたたかおうではありませんか。

 そして、この選挙で、大いに前進をかちとり、二十一世紀に本当に政治を変える足場をがっちりと固めようではありませんか。そのことを申し上げて、ごあいさつにかえるものであります。(大きな拍手)


――党議員団会議で

将来照らし出す旗を掲げて

松本善明さん

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 新しい出発点に立ったという気持ちです。十一期三十三年の議員活動に区切りをつけますが、同僚や先輩、全国のみなさんのご指導やご支援に心から感謝申し上げます。

 私は入党してから国会議員団事務局に入り、そこで五〇年問題の深刻な体験をしました。

 それをはねのけて自主独立、民主主義革命、多数者革命の路線を確立した八回党大会で、代議員として綱領の採択に参加したときの感動は今でも忘れることはできません。

 今回の綱領改定案は、そのときの綱領を本格的に実現しようというものです。人類の進歩の大事業のなかで、あかあかと将来を照らし出すような旗を掲げて、総選挙をたたかうことができることは本当に幸せです。

 二十一世紀、日本共産党の果たす役割は本当に大きいと思います。その最初の出発点の総選挙でしっかりした陣地を築き上げるならば、二十一世紀に輝かしい日本と世界をつくっていくことができます。全力をあげて東北ブロックの一議席を必ずまもりぬくとともに、さらに躍進して二議席以上勝ちとって、喜び合いたいと思います。

消費税の大増税は許さない

矢島恒夫さん

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 長い間ありがとうございました。初当選が一九八六年ですが、候補者活動とあわせると二十六年間、議員活動がその半分の十三年になります。

 初当選の時は、中曽根内閣で衆参同時選挙がおこなわれました。

 その選挙で中曽根首相は「大型間接税は導入いたしません。この顔がウソつく顔に見えますか」と大見えを切り、圧倒的多数を得たことをいいことに消費税導入のレールを敷きました。

 それを受けた竹下内閣が成立させるわけですけれども、今回の小泉首相も、引き上げは三年間はやりませんといいながら条件整備はどんどんすすめるという、よく似た手法をとるものだと思っています。

 消費税の大増税を絶対に許さない。そのために今、埼玉でたたかわれている参議院補欠選挙で、あべ幸代さんを勝利させるとともに、引き続く総選挙で日本共産党の大躍進のために全力あげてがんばりたいと思います。

総選挙、一世一代のたたかい

大幡基夫さん

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 私の場合、党本部で選対局長の任務に専念するわけで、今度の選挙で何としても勝たなければならないという決意を新たにしています。

 この間、提起してきた論戦の方向「二つの選択」「三つの流れ」が全党を今、急速に元気付けています。国会の論戦を見ても、野党の立場を投げ捨てた民主党の「みにくさ」も浮き彫りになってきているわけで、たたかいいかんでは躍進できる、容易ではないがおもしろい局面になりつつあると思います。

 それだけに主体的な奮闘が勝負です。

 十月四日の全国都道府県委員長会議のときに不破議長が、「死力を尽くして、“世界一元気な日本共産党ここにあり”というたたかいをやろうじゃないか、それはわれわれの義務であり責任だ」といわれましたが、今回の総選挙、私自身も自分の人生で一世一代といえるたたかいを展開したい。必ず勝利してみなさんを国会に再度送り出すとともに、新しい議員を獲得したい。

 みなさんには、本当にお世話になりました。これからもおつきあいをよろしくお願いします。

すべての被災者救済めざし

藤木洋子さん

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 お世話になりました。議員めざす活動を始めてから二十六年間になります。一期目は中曽根内閣のときに当選させていただいて、臨教審や国鉄の分割・民営化の問題でたたかいました。

 二期目、三期目は、自民党と社会党が一緒になるという政権のときから、今日の野党の共同まで力を入れてたたかってまいりました。

 被災地出身の議員として、被災者をひとり残らず救済することが必要だとして、新しい立法活動にも奮闘してきました。

 被災者の生活再建支援法の見直しにあたって、内閣府が新年度予算に住宅再建の公的支援を盛りこんでいく、法の改正もおこなうとの答弁をしました。しかし、省庁交渉では壁があり、難しいという話も出ており、今後のたたかいが大切です。

 議員宿舎の荷物はすでに地元に送ってありますので、今日が終わると即たたかいの体制に入ります。交代した候補者に議席としてバトンタッチできるように奮闘する決意です。これからも力いっぱいがんばりますので、よろしくお願いします。

戦争と貧乏なくす決意胸に

小沢和秋さん

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 一九六三年に福岡県議に当選してから約四十年余り、衆院議員には四回当選し、十三年間働かせていただきました。

 前回の総選挙で私は、小選挙区で最後のたたかいをして締めくくるつもりでした。それが比例名簿の一位で当選させていただいたため、三年半、何としても責任を果たし期待にこたえなければとがんばってきました。

 サービス残業の追及で二度の通達を出させ、百五十億円の賃金を払わせることができました。企業に解雇権を認める労働基準法の改悪を広範な運動と四野党の共同でストップさせました。川辺川ダム建設ももう一押しで断念するところまで追い込み、諫早湾干拓中止のたたかいも広がりました。悔いない活動ができたのは同僚議員や秘書のみなさんのおかげです。

 私は五十二年前、戦争と貧乏をなくすという決意を入党申込書に書き、今日までたたかってきました。しかし、現実の政治は、日本を戦争の道に引き込み、国民の生活不安を拡大するばかりです。

 今度の総選挙でこそ、こうした流れをストップさせなければなりません。九州・沖縄ブロックで二議席を確保し、私の後継ぎである仁比そうへいさんを国会に送り出すために全力つくす決意です。


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