日本共産党

2003年10月2日(木)「しんぶん赤旗」

くらしと外交、憲法と消費税――

総選挙では政党の値打ちが問われる

草の根の総力で躍進の情勢を

不破議長が訴え 日本武道館に1万7千人

東京


 日本共産党東京都委員会は一日、総選挙勝利に向けて日本武道館で演説会を開きました。演説会には、全都から一万七千人が参加し、不破哲三議長の演説や衆参両院の候補者の訴えに聞き入りました。


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訴える不破議長

 不破議長は二十一世紀最初の総選挙で「どちらを向いても先が見えない時代、だれが日本と国民のすすむ道をしっかり示しているかが一番問われる」と強調し、“小泉政治”をめぐる熱い争点を明らかにし、「先の見える政治」への展望を示しました。

“今”も見えない小泉政治先を見通す日本共産党

 「小泉首相は先が見えないだけでなく、今もみえないようだ」−国民の実感とかけ離れた空宣伝のうえに四十二もの空約束を並べた小泉首相の所信表明演説と対比して、「日本共産党は先をしっかり見とおした改革の方針をきちんともっている」と力説。党綱領改定案が示す民主的改革の内容を、経済、外交の両面にわたってわかりやすく示しました。

 日本経済では、「経済を支える最大の力は国民のくらしの活力なのに、日本ではその活力が不利な状況におかれている」ところに、最大の問題があります。不破氏は、(1)欧州なみに暮らしと権利を守るルールをつくる(2)財政の逆立ちを改め社会保障を予算の主役にすえる(3)日本経済へのアメリカの指図を許さない(公共事業・不良債権処理・ゼロ金利など)−という改革の方針をわかりやすく説明しました。

 安保・外交では、「アメリカいいなり」で影がうすかった日本外交が、世界中が反対したイラク戦争を支持したことで「ここまでアメリカいいなりになるのか」と逆に目立ってきたと指摘。その大転換が必要だとして、(1)自主的な外交に転換し、国連の平和のルールを守る(2)憲法擁護の立場にたち、海外派兵を中止する(3)安保条約を廃棄して非同盟諸国に加わる−という方針を示しました。

野党の段階から改革方針の実現に奮闘

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 いよいよ総選挙目前という情勢のなか、日本共産党東京都委員会は1日、不破哲三議長を迎えて演説会を開き、会場の日本武道館には熱気があふれました。

 この改革方針の実行はどうか。不破氏は、外交と国内問題の双方での実績を紹介しました。

 外交では、世界政治に直接働きかける野党外交を展開したことです。

 中国がアメリカのイラク攻撃反対の態度表明をはじめて行ったのが昨年八月の不破氏との会談。この日中会談でうちたてた“国連のルールを破るものはだれであろうと反対”との道理にたって中東・アジア諸国とも一致点を築いてきました。「イラク戦争反対が多数になる状況をつくりだすうえで日本共産党の野党外交は一つの力となったのが実感だ」と語りました。

 国内問題ではどうか。

 −かつては公共事業削減を問題にしなかった自民党でさえ総裁選候補が大型公共事業のでたらめさを問題にするなど、勝手にやるわけにはゆかない状況になったこと

 −サービス残業問題で二百回をこえる国会質問、「サービス残業根絶法案」提出。政府が二回の通達を出し、二年半で百五十億円以上の不払い賃金が支払われた

 −介護保険の減免制度を要求、五回の提言を発表。保険料で六百九十五自治体、利用料で九百八自治体で実現した

 こうした実績を紹介した不破氏は「日本共産党は民主的改革を実行する民主的な政権づくりのために奮闘すると同時に、野党の段階でも一歩一歩、国民要求の実現のためにがんばる政党だ」とのべ、大きな拍手に包まれました。

憲法改悪と消費税大増税――自民・財界が狙う大悪政計画を打ち破ろう

 いまの政治の現状について不破氏は、「日本共産党がより大きな力をもつことを求める特別な状態がある」とのべ、自民党と財界勢力が「構造改革」の次にやろうとしている大悪政の二つの計画を告発しました。

 一つは、小泉首相が、戦後初めて日程を決めて自民党の改憲案をまとめるよう指示したことです。不破氏は、狙いは憲法九条そのものを取り払い、米国の注文に応じ自衛隊を無条件に海外派兵できるようにするためだと指摘しました。

 もう一つは、消費税大増税計画です。財界が主役で二ケタ税率への音頭をとり、「法人税引き下げ」「消費税増税」に賛成する政党に企業献金をしようとしています。

 問題は小泉内閣の役割です。「首相が『在任中の三年間はやらない』から安心と思ったらたいへんだ」と指摘した不破氏は、二ケタ税率を答申した政府税調会長の言葉も紹介し、「小泉内閣の役目は、消費税増税への地ならし役」であることを明らかにしました。

 「日本共産党は平和と生活向上を願うすべての国民とともにこれを打ち破るために全力をつくす」と表明し、「そうだ」の大きな共感の拍手に包まれました。

悪政反対の足場を崩すのか――野党のあり方も問われる

 「しかし野党戦線をみるときわめて危険な状況がある」。不破氏はこうのべて、憲法改悪では改定の内容を競い、消費税増税問題でも社会保障の財源に充てようという考え方があるなど、どちらにも反対しない新民主党の態度を批判。「一言に野党といっても、日本の平和と国民生活の根本にかかわる相手側の大攻撃をめぐって大きな立場の違いがある」と訴えました。

 「どうして、そうなるのか」と問いかけた不破氏は、新民主党が自民党政治の大枠から抜けられないという弱点に加えて、同党の「政権公約(マニフェスト)づくり」の問題に言及。“政権をとったら当面こうやる”という話だけに熱中し、悪政に反対する野党の責任がおろそかになっていると指摘し、「これでは悪政反対の足場を崩す結果になり、野党としては邪道だ」とのべました。

 さらに、「政権公約」には衆院比例定数の八十削減という“危険な毒まんじゅう”も含まれ、やがては小選挙区一本にし、自分たち以外の野党を追い出すことで、二大政党制にもっていくものだと指摘。この定数削減は「政権公約」で税金のムダ遣いとしてあげられているが、三百十七億円の政党助成金にはまったく手をつけないとのべ、「これでどうして『民主』の党といえるのか」と批判。「自民党・小泉政治との対決の上でも、財界の野望を打ち砕くうえでも、野党のこの二つの流れのどちらを選ぶのかが問われている」とよびかけました。

世界的にみればみすぼらしい反共主義

 日本共産党が伸びてこそ政治が国民のものになる――このことを相手側がよく知っているからこそ、選挙のたびに反共攻撃がおこなわれるとのべた不破氏は、自公両党による反共攻撃は、戦前、軍国主義時代の共産党「国賊」論を思い出させるもので、自分たちが「世界的なレベルでいかに遅れているかをさらけだすもの」と批判。イスラム世界と日本共産党の交流を通じて「いまの世界は、そんな反共主義は通用しない世界になっている」ことを明らかにしました。

 この交流では、“宗教的立場からは神を信じない共産党は「絶対悪」”とふりかえるイスラム諸国側の政府幹部もいるなかで、日本共産党の実際の方針・姿を知って友好的な関係に踏み出していることを力説。日本共産党の緒方靖夫国際局長がイスラム諸国会議機構(OIC)首脳会議にゲスト招待されたことを紹介し、「平和と進歩に向かう二十一世紀の世界の変化が強く現われている。そういうなかでみると、日本の政権党の反共主義が本当にみすぼらしくみえるではないか」と訴え、拍手に包まれました。

 不破氏は、日本共産党が党員、読者、後援会員、党支持者という他党に負けない草の根の力をもっていることを力説。国民との結びつきを広げ、草の根の力を発揮してがんばるなら、どんな反共攻撃をも打ち破って情勢を変え、躍進を手に入れる条件はあるとのべ、「自分の手で激動の情勢を開く選挙戦を展開しよう」とよびかけました。

 最後に不破氏は、三十四年間にわたる国会活動に区切りをつけるにあたって、この間の支援にたいする感謝を表明。連続十一回の当選を勝ち取った力も東京の大きな伝統に属するとのべ、比例代表選挙で三議席をめざす攻勢的な選挙に知恵と力をつくそうとよびかけました。


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