日本共産党

2003年9月11日(木)「しんぶん赤旗」

出張先死亡を労災認定

携帯電話普及で業務増

福岡地裁


 携帯電話中継基地点検のための出張先で心臓疾患で死亡した福岡県久留米市の男性会社員=当時(53)=の妻が、労災認定しなかった福岡中央労働基準監督署長を相手に、遺族補償年金などの不支給決定の取り消しを求めた訴訟の判決が十日、福岡地裁でありました。亀川清長裁判長は「死亡は携帯電話の急速な普及で点検業務が増加し、時間外労働や出張も増えたことに起因する」として労災認定し、処分を取り消しました。

 男性は日本コムシスから携帯電話の中継基地内部の装置を扱う日本エリクソン福岡事務所に出向。九州・沖縄地区の実質的な責任者として働いていた一九九五年十月十二日未明、出張先の大分市内で飲酒後、店舗前の床で寝込み、急性虚血性心疾患で死亡しました。

 同労基署は「業務負荷は過重とはいえず、慢性的に心臓疾患が進行していた男性が飲酒後、寒い床に寝たことが引き金となって死亡した」として労災と認めませんでした。

 これに対して、判決は(1)男性が携帯電話の普及に伴って、九州・沖縄の中継基地約二百カ所を担当し、自ら運転して九州各地へ頻繁に出張していた(2)夜間や休日でもNTTドコモからの苦情を受けていた―ことなどを挙げて、精神的、肉体的負荷が過重だったと認定。「心臓の基礎疾患は認められず、男性の死は業務に起因する」と判断しました。


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