日本共産党

2003年9月5日(金)「しんぶん赤旗」

中国チチハル市毒ガス事件に慰問金

「賠償にかえられない」

中国紙が日本政府批判


 【北京4日小寺松雄】中国共産主義青年団が主管する北京青年報四日付は「毒ガス事件−『慰問』は『賠償』に取って替われない」との論評を掲載しました。

 八月に黒龍江省チチハル市で、旧日本軍が遺棄した化学兵器の毒ガスを浴びて一人が死亡、四十人以上が入院した事件で、日本政府が一億円の慰問金を出すと伝えられたことについて論じたものです。

 論評は「“慰問”というのは善意の補償だが、“賠償”は法的責任であり義務なのだ」と指摘。「賠償というのは、戦争と戦争が残した問題についての法的責任の追究である」と述べています。

 さらに、今回の事件の背景には従軍慰安婦や日本軍の細菌戦をめぐる裁判、また日本の政界要人の靖国神社参拝などがあり、「中国人民は、日本は戦争被害を認めず、戦争責任を逃れるのに躍起になっていると認識するようになっている」と指摘しています。

 論評は、「毒ガス事件というのは“戦後の事件”なのであり、中国が戦時賠償を放棄したから賠償しないという日本政府の言い分は成り立たない」と批判しています。


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