日本共産党

2003年8月5日(火)「しんぶん赤旗」

防衛庁“ヘリ空母”導入

来年度概算要求へ 周辺諸国に脅威


 防衛庁は四日、“ヘリ空母型”護衛艦(ヘリコプター搭載型護衛艦)を導入する方針を決めました。二〇〇四年度予算の概算要求に盛りこむ方針です。政府はこれまで「専守防衛」の建前から「攻撃型空母の保有は許されない」としてきました。“ヘリ空母”の導入が周辺諸国に脅威を与えることは必至です。

 新造艦は、ヘリの運用能力と指揮通信能力の強化をはかった最新鋭のハイテク護衛艦で、一三、五〇〇トン級。甲板が艦首から艦尾までつながる「全通甲板」が特徴です。排水量一万トンを超える大型護衛艦の建造は初めてで、イタリア海軍の空母ジュゼッペ・ガリバルディ(排水量一〇、一〇〇トン)を上回る規模です。

 哨戒ヘリ三機に加え、最大輸送人員四十人の掃海・輸送ヘリ一機を搭載するほか、これまでできなかった同時離着艦ができるようになります。

 政府は、ヘリ搭載型の新造護衛艦の導入を、二〇〇〇年十二月の「中期防衛力整備計画」で決めていました。防衛庁は当時、“ヘリ空母”との批判を受け、飛行甲板を船首と船尾に分ける「前後分離型」のイメージ図をあげていましたが、今回、空母と同様の「全通甲板」の採用を決めました。

 防衛庁は同新造艦を、護衛隊群の指揮中枢機能をもつ艦船と位置付け、「大規模災害や在外邦人輸送など多様な事態にも対応できる」と説明。海外派遣も想定しています。

 建造費は千二百億円程度の見込み。〇八年度に就役し、現在の五、〇〇〇トン級のヘリ搭載型護衛艦との交代を目指します。


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