日本共産党

2003年7月29日(火)「しんぶん赤旗」

国立大学法人化を問う 2

文科相は立ち往生

共産党 問題掘り下げた論戦


「核になっている」

 「日本共産党の質問は論戦のコア(核)になっていますね」。ある国立大学の元学長が、衆議院の審議録を読み、日本共産党の石井郁子衆院議員にこう感想をよせました。日本共産党は衆議院で国立大学法人法案の問題点をうきぼりにし、参議院では他党の論戦と連携しながら、問題をほりさげました。審議に先立つ昨年一年間、法人化や教員養成学部統廃合の問題で十六大学の学長や教職員組合と懇談し、大学問題での十八回に及ぶ国会質問をしたことが、各地の教職員から寄せられた資料とともに生かされました。

 法案の最大の問題は、大学が自主的に定めるべき六年間の中期目標を文部科学大臣が定め、中期計画も大臣が認可することです。

 石井議員は衆議院の本格論戦の冒頭で、各地の大学で準備されている中期目標を披露し、「『○○大学は自律と創生を全学の理念とし、教育と研究において地域や世界の着実な発展に貢献することを目的とする』と書かれているように、大学の目標とは大学固有のもの、大学が定めるもの、それをなぜ大臣が定めるのか」と迫りましたが、遠山敦子文科大臣は、まともな答弁ができませんでした。

 さらに、石井議員が「研究目標がこの大学にふさわしいとかふさわしくないとか大臣が判断し、配慮した結果、削除したり、改めたり、直させたりということはあるか」と質問したのに対し、文科副大臣は「中期計画が法人の業務の実施上不適当になった場合には主務大臣が中期計画の変更を命ずることができる。この変更命令に従わなかった場合には役員に過料が課せられる」と答弁したのです。

政府介入強まる?

 参議院では、日本共産党の畑野君枝議員が「大学では様々な教育研究が行なわれています。物質創生科学あるいは分子情報・生体統御医学、これらはどのような教育研究をされていますか」と質問。遠山文科相は「それこそ、専門家にお聞きになったらいい」としか答えることができず、八十九大学のそれぞれの目標を文科相が最終的に決めることに道理はなく、能力的にも無理であることをうきぼりにしました。

 畑野議員はさらに、「学問の自由は、これを保障するという憲法二三条は、教育研究の内容について国は介入してはならないという意味を含んでいるか」と質問。これに対して遠山文科相は「介入するような分野ではございません。介入しないということでございます」とのべながら、「(中期目標について)その大学が志向している、あるいは向上を図ろうとしている内実について書いていなければ、じゃ大学は学内の組織をどのようにしようとしているか、学生に対してどのような教育研究の充実を図ろうとしているかというようなことについてもう少し詳しくお書きくださいということを言うかもしれません」と、中期目標の策定を通じて大学運営や教育研究に介入する意図を示したのです。

 それだけではありません。法案も提出されていない二月に、文科省による中期目標・中期計画のヒアリングが行われ、準備作業の促進にあたって「中期目標については具体的目標は書かず、学内資料には具体的に記載する」などと“二重帳簿”をすすめたことや、「文科省が示した項目の範囲内で書くこと」などと指示したことも暴露されました。これは国会審議を無視する文科省の事前介入であり、法人法が学問の自由、大学の自治に対するあからさまな政府の介入を強めることがうきぼりになりました。(つづく)


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