日本共産党

2003年7月25日(金)「しんぶん赤旗」

主張

派兵法案緊迫 

世論に挑戦する横暴は通せぬ


 イラク派兵法案をめぐって国会が緊迫しています。

 政府・与党は、米軍の泥沼のゲリラ戦争に自衛隊を出兵させるために、何がなんでも成立させようとごり押ししています。

 日本共産党など野党は、強行は許されないと主張して、与党の横暴に厳しく対決しています。

 法案は戦後日本の根本的転換になるものです。日本が侵略戦争で国民はもちろんアジア諸国民に言葉で言い尽くせない惨害をあたえた教訓からも、前代未聞の海外派兵法案を成立させてはなりません。

派兵先も「わからない」

 ますます多くの国民が法案の重大さを知り反対の声をあげています。

 戦力不保持、交戦権禁止を定めた憲法のもとで「わが国の平和と独立を守」るとして一九五四年に自衛隊が生まれたとき、それが戦闘の続くイラクの戦場に派兵されることになるなどだれが想像したでしょうか。

 一九九二年に強行されたPKO(国連平和維持活動)協力法も、派兵に受け入れ国の同意、停戦合意、中立性などの条件をつけています。

 日本は戦後、戦争で他国民を殺傷しなかったことで、曲がりなりにも諸国民の信頼を得てきました。

 中東・アラブ諸国で自衛隊イラク派兵を歓迎する国はありません。イラクのシーア派最大組織の指導者も米英軍に参加する自衛隊派兵に反対しています。それはアラブ諸国との友好関係を台なしにし、アジア諸国の不安をさらに強めるものです。

 法案は、どこからみても大義のない米英の戦争に参加するものです。

 米英がウソの情報でイラク攻撃を始めたことも明らかになりました。米英の政権が虚偽の情報で国民をあざむいて戦争にかりたてたことが、厳しく追及されているのです。

 「イラクの大量破壊兵器保有」を断定して米英の戦争を支持した小泉首相の責任はとりわけ重大です。

 首相は、その根拠をいまだに示すこともできないでいます。

 法案は、米軍の戦争で自衛隊員の生命を危険にさらすものです。

 イラク国民が米英侵略軍に抵抗するのは当然です。他国を侵略した軍隊が泥沼の戦争に陥るのは、中国でもベトナムでもアフガニスタンでも立証ずみです。

 防衛庁長官も自衛隊が攻撃される可能性を認めています。政府は「戦闘地域には送らない」といいながら、首相が「どこが戦闘地域かわからない」というのです。米軍とともに泥沼のゲリラ戦に陥ってよいのか。

 政府は、イラクで自衛隊は軍隊であると認めながら、捕虜になっても国際法の保護を受けられないといいます。アメリカの無法な侵略戦争のために、日本国民を犠牲にしてよいのか。官房長官は「だから派遣は慎重に」といいますが、それなら法案を撤回すべきです。

 こういう状況で憲法じゅうりんの海外派兵法案を強行するのは、かつて日本がヒトラーのドイツと組んで問答無用で侵略戦争に突き進んだ戦前の誤りを繰り返すものです。

法案は撤回・廃案に

 国民は、こういう小泉内閣の無責任さを感じとり、こんな政府に海外派兵させればどうなるか、いっそう不安を感じているのです。

 戦後日本の進路を根本的に変え、二十一世紀の世界の平和にも害悪となる法案を、与党だけで強行をはかることは絶対に許されません。

 法案は、日本の憲法はもちろん法体系と相いれないものです。廃案以外に道はありません。


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