日本共産党

2003年7月23日(水)「しんぶん赤旗」

警視らにビール券990枚

武富士への情報漏えい

警視庁が調査公表

宮本議員が追及 「注意」ですます

右翼カード解明せず


 サラ金大手「武富士」に警察の捜査情報などが漏えいされ、同社からビール券などが贈られていた問題で、警視庁は二十二日、同庁職員十四人が千枚近いビール券を受け取っていたなどとする調査結果を参院個人情報特別委員会理事会に報告しました。同庁は「社会的儀礼の範囲だが、疑惑を招く恐れのある行為」として、それぞれ口頭で厳重注意したといいます。

 この問題は、日本共産党の宮本岳志参院議員が五月の同委員会で武富士の内部文書を示して追及、政府側が調査を約束していました。

 調査結果によると、武田三郎元月島署長(56)=地方公務員法違反容疑で書類送検=ら幹部をはじめ十四人が、一九九三年から二〇〇一年にかけて、武富士元社員の中川一博被告(42)=業務上横領で起訴=らからビール券(一枚六百円相当)を計九百五十−九百九十枚受け取りました。

 枚数がもっとも多かったのは、武田元署長で四百枚、ついで捜査一課の警視(53)が二百九十枚でした。一方、武田元署長は九七年八月から二〇〇〇年十月までの四回、部下八百四十人分のリストを中川被告に渡し、サラ金からの部下の借り入れ情報の提供を受けていました。

 しかし、宮本議員が指摘した「右翼標ぼう暴力団カード」の提供については、情報を漏らしたとされる元警視庁職員が事実関係を否定したとして、解明できなかったとしています。

 委員会報告後の質疑で宮本議員は、「時効」を理由に処分を抑えることは許されないとして、「捜査関係事項照会」で個人情報を得た場合は、公訴時効は七年であることを指摘しました。警視庁側は「情報入手は適正におこなわれたが武富士への伝え方が不適正だった」と弁明。宮本氏はデタラメな答弁だと批判し、「右翼標ぼう暴力団カード」の入手経路などの徹底調査を求めました。

 与党側は、委員会での質疑は困難との姿勢を示しましたが、野党側はあらためて質疑することを求めました。


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