日本共産党

2003年7月23日(水)「しんぶん赤旗」

17年目のJR採用差別事件

ILOも5たび勧告

早期解決へ広がる共同


 一九八七年四月の国鉄の分割・民営化に伴い、JRを不採用になった千四十七人の解雇撤回のたたかいは十七年目に入りました。東京高裁が「JRは当事者」と認定し、ILO(国際労働機関)は「公正な解決」を日本政府に五たび勧告しました。国内外の世論を背景に、早期解決をめざす共同が広がっています。

 「お前のいったことは正しかった。みんなのことを考えて分割民営に反対したんだね」と母、「そうだよ。だからおれたちのことをみんな応援してくれるんだ」と答える争議団員の息子−。会場から「負けるな」と声援が飛びました。

 十一日夜、東京都内で開かれた「7・11国鉄集会」での構成劇「オレたちがJRに帰る日」の一コマ。国鉄から引き継いだJRが駅前一等地を大企業に売り渡し、ホテルやコンビニ、住宅分譲で大もうけをする一方で、鉄道業務の労働者を大量に削減し、乗務員に超過密労働を押しつけ、輸送の安全を脅かせ続けた十七年を検証しました。

800人かけつけ

 集会は、全労連国鉄闘争本部などがよびかけ、支援の労働者と労働組合が一堂に会し、約八百人がかけつけました。国鉄闘争支援共闘の中里忠仁議長、国労の田中浅雄副委員長、熊谷金道闘争本部長(全労連議長)が次々とあいさつしました。

 採用差別をめぐる裁判はいま、全動労事件も国労事件も最高裁で係属中です。重要な争点はJRの使用者責任です。

 東京高裁は、国労事件で「不当労働行為があったとしても、責任は国鉄や清算事業団が負うべきで、JRに責任はない」(二〇〇〇年十一、十二月)としていました。

 ところが昨年十月の全動労事件で、同高裁はJRが「雇用契約の当事者であり、『使用者』である」と断定しました。JRを「使用者」として初めて認めたものです。

 同高裁はJRの使用者性を認めながらも、全動労組合員が「国是」の分割・民営化に強く反対したことで、「業務知識や技能、経験、実績でそん色のない評価を受けたとしても…劣位に評価されてもやむを得ない」と判断。国やJRのいいなりにならず、「安全守れ、要員増やせ」と国民の立場で主張してきた全動労の一員であれば、どんなに優秀な運転士であっても差別されて当然といういい分です。憲法で認められている団結権を否定する乱暴な結論です。

政府の責任で

 ILOは六月、採用差別事件について五度目の勧告を出しました。

 このなかで、「政府と関係当事者が可能な限り最大多数の労働者に受け入れられる公正な解決を見出す方向で努力するよう強く主張する…死亡もしくは退職年齢をすでに超えてしまった、苦しみを受けた労働者や証拠を考慮すればますます緊急になっている」と強調。高裁判決に反論し、「結社の自由原則、すなわち採用における差別待遇の点から極めて重大な問題であり、政府によってとりくまれるべきである」とのべ、司法機関を含むすべての国家機関が尊重しなければならない結社の自由に関するILO第九八号、八七号条約に反する判決だったことを浮き彫りにしました。

勝利へ集会開く

 「政府の責任で解決を急げ」「JRは安全輸送守れ」と大阪では五月、学者や弁護士、大阪労連、国労西日本本部、建交労西日本鉄道本部が共同し、国鉄闘争勝利をめざす集会を開きました。

 東京でも五月、国労弁護団と全動労弁護団の有志がよびかけ、討論集会「JR採用差別事件−最高裁の焦点」を開催。国労、建交労の組合員や中央労働委員会委員、全労連役員ら支援の人たちが会場を埋めました。

 建交労鉄道本部は、全労連の支援もえて、最高裁へ向けた公正判決と口頭弁論を求める署名や宣伝行動を強め、早期解決へ全力をあげています。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp