日本共産党

2003年7月6日(日)「しんぶん赤旗」

暴走は製造上の欠陥

三菱自工が7800台リコール


 二〇〇〇年四月から今年二月までの三年間に自動車ユーザーの訴えた十件の暴走事故が、製造上の欠陥によるものであることが五日までに明らかになりました。

 暴走事故を起こしたのは三菱自工(東京・品川)製ワンボックスカー「デリカ」。二〇〇〇年四月に北海道の国道で、加速した際に暴走、ブレーキを踏んでも減速せず、大型車と衝突する事故を起こしました。ユーザーはメーカー側の責任を追及する裁判を起こしましたが、メーカーは「不適切な運転操作」などと主張していました。

 しかし事故後、今年二月までに九件の暴走に関する苦情が同社に寄せられました。昨年十一月の札幌地裁判決ではメーカーの責任を指摘。昨年十二月には国土交通省も三菱自工に原因調査を要求していました。

 同社は「デリカ」「チャレンジャー」七千八百八十九台を対象に一日、国土交通省にリコールを届け出ました。

 暴走原因について同社は、ディーゼルエンジンの燃料噴射時期を調整する「進角制御レバー」に亀裂が入り折損し、燃料調整弁が開きっぱなしになってエンジン回転が急上昇するとしています。

 亀裂の原因について、ライン上の噴射時期調整工程で、京都工場の作業員(期間工)が「不慣れな作業を行ったため」と説明。苦情のあった十件とも、その期間工が作業にあたった時期と合致したとしています。


第三者機関設置を

 日本共産党の瀬古由起子衆院議員(国土交通委員)の話 暴走事故を訴えても大半が運転手の操作ミスとされてきました。機械的な欠陥で暴走が起きることをメーカーが認めたことはユーザーにとって非常に重要です。操作ミスとされてきたこれまでの暴走事故についても見直す必要があると国土交通省も認めました。車の欠陥について調査する第三者機関の設置が早急に必要です。


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