日本共産党

2003年6月27日(金)「しんぶん赤旗」

大型車交通量 国は低減せよ

和解履行あっせん成立

尼崎公害訴訟


 兵庫県の尼崎大気汚染公害訴訟の原告団が、大型車の交通量規制など大阪高裁での和解条項を国が履行していないと申し立てていた問題で、総務省の公害等調整委員会は二十六日、大型車の交通量低減などを国に求めるあっせん案を提示。原告団、国・阪神高速道路公団が同案を受け入れました。原告団、弁護団は同日、東京・弁護士会館で記者会見し、あっせんを「大きな前進」と評価、国に誠実な対応を求めました。

 公調委による「あっせん」が成立したのは初めて。

 あっせんのなかで公調委は「和解後二年半を経過したが、汚染実態は依然として改善されていない」と指摘。「和解条項は履行されている」と主張する国にたいし、「和解当時の精神に立ち返り」、大型車の交通量低減のための総合調査や、高速道路料金に格差をつけ交通量・排ガスを抑制する「ロードプライシング」の試行などを求めました。

 また、国側と原告側が参加して実効ある対策をすすめさせるための「連絡会」の公開を求めるなど、原告団の主張を盛り込んだ内容となりました。

 原告団の松光子団長は記者会見で「主張が認められたのはうれしい。人間が住むところでないといわれ、街がさびれるのはさみしい。私たちは笑ってくらせる平和な街で生き続けたい」と話しました。


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