日本共産党

2003年6月21日(土)「しんぶん赤旗」

大証相場操縦事件 現社長も関与か

共産党が国会で追及

政府責任など全容解明を


 相場操縦事件で、大阪地検特捜部などは二十日、大阪証券取引所に前例のない家宅捜索に踏み切り、午後九時すぎ、段ボール約百箱を押収し、約五時間に及ぶ捜索を終えました。

 大阪証券取引所をめぐる仮装売買事件を国会ではじめて取り上げたのは、日本共産党の国会議員団です。同党の池田幹幸議員は二〇〇一年三月十五日の参院財政金融委員会で、独自調査をもとに大証の仮装売買を指摘しました。「取引所の信頼性、公共性、公益性の問題にかかわる重大事件だ」と述べ、金融庁、証券取引等監視委員会(監視委)による事実関係の全容解明を要求していました。

 今回、監視委と大阪地検特捜部は、大証と野口卓夫・大証元副理事長の自宅、大証の関連会社・日本電子証券の家宅捜索・強制捜査に乗り出しましたが、日本共産党の国会追及では大証の現社長・巽悟朗氏も、この事件に関与している疑いがあることが明らかになっています。

 日本電子証券が仮装売買を行っていた取引相手の大証関連会社・ロイトファクス社は一九九七年七月に設立されています。野口氏が「大証にメーン市場の役割を持たせる意味でロイト社を設立して取引させた」と語るように、ロイト社は当初から仮装売買を目的に設立されました。

 そのロイト社と九七年七月から九九年一月まで取引をしていたのが巽氏が当時社長をつとめていた光世証券です。巽氏は五月十七日の衆院財務金融委員会の参考人質疑で、光世証券がロイト社と取引を開始した経緯について、「野口(元副理事長)から私に電話があって、顧客紹介された」(日本共産党の佐々木憲昭議員への答弁)と述べるなど、重要な発言を行っています。

 証券取引所は、不正取引を監視する極めて公共性が高い立場にあります。その大証の現社長の巽氏が不正事件に関与している疑いがあることは極めて重大です。また、金融庁は日本共産党の追及に対し、「法令違反があれば厳正に対処する」(柳沢伯夫金融担当相=当時)と答弁しながら、光世証券には、まともな調査すらおこなってきませんでした。

 巽氏の関与をはじめ、金融庁、監視委の監督責任など事件の全容解明をする必要があります。(佐藤高志記者)


 相場操縦 証券取引法一五九条は、株式の売買が頻繁に行われているように見せ掛けて株価をつり上げるなど、相場を人為的に変動または固定させることを禁じています。このうち、同一人物が株式の売りと買いを同時に行うなど、権利の移転を伴わないのが仮装売買。他者とあらかじめ通じて取引するのがなれ合い売買となります。証券取引等監視委員会はこれまでに日本ユニシス株や志村化工株などをめぐり、五件を告発しています。


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