日本共産党

2003年6月15日(日)「しんぶん赤旗」

お父さん、無理しないで

残業月200時間、「眠れない」「すまない」と…

過労死・過労自殺110番

家族・遺族から相談相次ぐ


 「朝六時ごろ自宅を出て、帰宅はいつも深夜二、三時だった」−−。十四日に二十七都道府県で実施した「過労死・過労自殺一一〇番」(過労死一一〇番全国ネット主催)には、働きすぎが原因で亡くなったという相談が遺族などから相次いで寄せられました。


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 相談件数総数は三百十九件にのぼりました。百二十二件の労災補償相談のうち、脳・心臓疾患に関するものが七十件、自殺は四十一件でした。また、過労死予防や働きすぎを心配する相談が百五十五件とほぼ半数に達しています。

 相談では、

 ▼亡くなる直前に土、日曜も含めて二十日以上も深夜帰宅が続き、ノートに「すまない」と書き残して亡くなった中間管理職の五十代の男性。

 ▼時間外労働が月百五十時間から二百時間に達し、「眠れない」「死にたい」ともらし、行方不明になっていた建設業の男性のケースなどがありました。

 ▼連日朝九時から夜十一時までの勤務で、顔色は土色、頭痛に悩まされたあげく、脳出血で死亡した外食産業の五十代の男性のケースも。

 ▼「夜十一時に帰宅する毎日。タイムカードはなく、倒れても記録が残らない」と訴えてきた流通業の三十代の男性もいました。

労災申請 強まる動き

 遺族などのたたかいで労災認定基準が一定改善され、労災認定件数が大幅に増えています。これまであきらめていた人たちも「一一〇番」に相談を寄せ、労災申請する動きも強まっています。

 同ネットでは「引き続き予防と補償の両面で事態の改善に力を入れたい」としています。


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