日本共産党

2003年6月12日(木)「しんぶん赤旗」

企業献金 選挙区支部の1.7倍

麻生政調会長も別財布

2支部1億円超


 「創氏改名」をめぐる暴言が問題になっている自民党の麻生太郎政調会長(衆院福岡八区)がみずから支部長を務める選挙区支部のほかに、業界の職域支部を事実上、自身への企業・団体献金の受け皿とし、二つの支部あわせて年間一億円を超す企業・団体献金を集めていたことが本紙の調べでわかりました。政党支部の「別財布」の存在がわかったのは、同党の伊吹文明元労相に次ぐものです。


図

 この支部は、「自民党福岡県窯業支部」。麻生氏が支部長の「自民党福岡県第八選挙区支部」の所在地である飯塚市吉原町の麻生太郎筑豊事務所内にあり、会計責任者は「選挙区支部」の事務担当者と同一人物です。

 「窯業支部」の二〇〇一年の政治資金収支報告書によると、二百二十一人から二十八万七千三百円の「党費」を集めていますが、企業・団体献金は六千七百四十四万円。麻生セメント二千五十万円、麻生商事六百五十万円、不二音響六百万円、麻生鉱山、アソウレジコン、三加和鉱山各二百万円など、麻生グループの献金が目立ちます。

 支出では、「麻生太郎21世紀の会(麻生太郎後援会)」に三千二百万円を寄付。受け取った企業献金の五割近いカネを“迂回(うかい)”していることになり、事実上、麻生氏の「財布」です。(図参照)

 「第八選挙区支部」が〇一年に集めた企業・団体献金は三千九百七十五万円ですから一・七倍の「財布」ということになります。

 「第八選挙区支部」の事務担当者も兼ねる「窯業支部」の会計責任者、山本操一氏は同支部について、「麻生を支援する自民党の職域支部です」と認めています。

 政党支部を、いくつもつくることは法律では禁じられていませんが、麻生氏や伊吹元労相のように、選挙区支部とは別の政党支部で企業・団体献金を集めるやり方は、企業献金禁止を求める世論に逆行するものです。

 自民、公明、保守新の与党三党は、政党支部への企業・団体献金の上限を年間百五十万円に制限するとの政治資金規正法「見直し」を検討していますが、麻生氏のようなやり方は、「抜け道」になります。

 このほか、麻生氏は、資金管理団体「素淮(そわい)会」や、一般政治団体で「政治経済セミナー」などの名目で資金集めパーティーを開いており、麻生氏の「集金力」は年間約三億円にのぼっています。


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