日本共産党

2003年6月7日(土)「しんぶん赤旗」

精神医療の対策欠く

心神喪失者処遇法案を強行

参院本会議


 心神喪失者処遇法案は、六日の参院本会議で自民、公明、保守新などの賛成多数で可決されました。日本共産党、民主党、社民党は反対しました。法案は衆院に回付されます。

 同法案は、殺人や放火など重大な犯罪に触れる行為を行ったが、心神喪失などで不起訴・無罪となった者について裁判官と精神科医各一人による審判で、入院や通院治療などの処遇を決定することを柱としています。入院の場合は、指定入院医療機関で治療を受けることになります。

 法案は、日本の精神医療の抜本的向上の課題が置き去りで、精神障害者のための社会的受け皿づくりなどで十分な対策がなされないまま、強制入院を中心とする新たな制度を導入するものです。ハンセン病問題に次ぐ新たな「閉じ込め」になるとの強い懸念や批判が各方面から出ていました。

 自民、公明などの与党は、慎重審議を求める声を無視し、三日の法務委員会(魚住裕一郎委員長=公明)で「だまし討ち」的に採決を強行。審議の続行を求める日本共産党など野党の抗議を無視して、本会議採決を強行したものです。


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