日本共産党

2003年6月6日(金)「しんぶん赤旗」

有事法案

だれが強行 見届けた

怒りのリボン 国会包む


 「有事法制ハンタイ」「ノー ウオー、イエス ピース」――。そんな怒りの声とジャンべ(西アフリカの太鼓)の音が響きます。参院の委員会で、有事三法案の採決が強行された五日。国会に多くの人がかけつけました。

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怒りのリボン行動で、国会を囲む人たち=5日、東京都内

 有事法案に反対し、「NOユージ VIVA友情」キャンペーンをおこなってきた若者や宗教者、市民らが国会前でおこなった「怒りのリボン行動」。

 「殺すな」のバッジをつけた京極紀子さん(46)は、「数を力に強行する国会と、国民があまりにもかけ離れている」と語ります。

 「まだまだ中身を知らない人も多いけれど、多くの人が戦争には反対です。可決されたら終わりじゃない。関連法もこれからたくさん出てくるし気がぬけない。一人ひとりが非協力宣言をし、自治体にも働きかけたい」と決意をこめます。

 集会では、何人もの人が悔しさと、怒りに絶句しながら発言しました。宗教者の有村文江さん(49)は、「『あのときどうして命をかけて反対しなかったのかという』戦争の語り部の言葉をみんなと共有したい。どんなことをしても、やめさせたい」と祈るように訴えました。学生の野崎彩さん(21)は「戦争でものごとを解決するという方法は、絶対におかしいと、気づいてほしい。法案が成立したとしても、絶対に発動させない、協力しない活動をしていきたい」と語ります。

 傍聴席には各地からかけつけた人たちがいました。

 「採決にめっちゃ腹立つ」と話すのは、掘切幸寛さん(28)。名古屋の法律事務所に勤務しています。午前中、地元の声を届けようと有事法制廃案を国会議員に要請しました。

 「民主党議員のところに行ったらうつむいていた。国会議員の九割が賛成というけど、国民の九割が賛成なんじゃない。これから法案を発動させない、廃案に追いこむたたかいが新しく始まる。自分自身、絶対に協力しないし、武力による解決を認めない。その誓いを新たにした」

 東京・豊島区の四十代女性は「採決の瞬間、だれが賛成したのか、だれが反対したのか、しっかりと見届けようと思った」。介護ヘルパーとしてお年寄りの世話をするかたわらイラク戦争反対のパレードに参加してきました。

 「ぎりぎりに命をつないで生きているお年寄りに政治のまなざしは冷たすぎる。有事三法案の可決は、同じ流れにあると思う。特効薬はない。法案の中身を周りの人に知らせ、発動させない活動を地道にやっていきたい」と語りました。

京の街で抗議デモ

 労働法制の改悪に反対する京都連絡会は五日夕、京都市内で労働法制や公務員制度の改悪と有事法制に反対する宣伝とデモを行い、百人が参加。デモの出発直後に与党と民主党、自由党が参院特別委で有事法案の採決を強行し、参加者は、怒りを込めて「アメリカの戦争に協力する有事法制反対」と訴えました。

 デモの終点の四条河原町では、幅広い市民でつくる「STOP!有事法制・京都の会」の宣伝行動に合流。受け取ったビラをジッと読んでいた女子学生(21)は、「日本が戦争するなんて考えられない。有事法案って名前しか知らなかったけど、絶対にやめてほしい」と真剣な顔でいいます。


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