2003年6月4日(水)「しんぶん赤旗」
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会の乳肉水産食品・毒性合同部会は三日、魚介類に含まれている水銀の人体影響について審議。妊娠中の女性にたいして水銀濃度が高いメカジキ、キンメダイ、クジラ類などの摂取制限を呼びかける「注意事項」をまとめました。魚種を特定して注意喚起するのは初めて。
同省は同日、省内の母子保健関係部局、水産庁、都道府県に妊婦への指導など「注意事項」の徹底を通知し、ホームページでの情報提供していくことを決めました。
「注意事項」は、一部の魚介類等では食物連鎖により、「人の健康、とくに胎児に影響を及ぼす恐れがある高いレベルの水銀を含有している」として、メカジキ、キンメダイは、一回六十−八十c以下として週に二回以下にすることが望ましいと指摘。マッコウクジラなどやサメ(肉)は同週一回以下、バンドウイルカは同二カ月に一回以下にすることが望ましいと、摂取の上限を勧告するものとなっています。
昨年七月には、米食品医薬局(FDA)が、妊娠中の女性にメカジキ、アマダイ、サメの摂取を控えるよう勧告。日本では九カ月遅れの対応になりました。
水産庁が二日に公表した国内のマグロやカジキに含まれるメチル水銀量は、国際食品規格委員会の安全基準(一・〇ppm以下)の範囲内だったとしていました。
日本人の平均的な水銀摂取量は、許容量の35%程度で、普通に魚介類を食べる分には問題がないといいます。