日本共産党

2003年5月30日(金)「しんぶん赤旗」

社会リポート

自公選挙協力 裏事情

公明町議 票売った

山形県議選


 やっぱりカネがからんでいたのか――。今春の山形県議選で、自民・公明両陣営が、選挙区ごとに“票のバーター(交換)”をおこない、公明町議が票とりまとめの見返りに現金を自民陣営から受け取って逮捕・起訴されました。両陣営による“選挙協力”の裏事情の一端が明るみに出たこの事件を追跡すると…。

 買収(公選法違反)の罪で十七日に略式起訴されたのは、西置賜郡白鷹町で公明党白鷹支部長も務めた志田俊夫町議(逮捕後辞職)。

■票とりまとめ

 志田議員の罪は、県議選で西置賜郡選挙区から立候補していた自民党の松野久八県議陣営から白鷹町における公明党・創価学会の票のとりまとめを依頼され、その見返りとして現金十万円を受け取ったというもの。本人は罪を認め、五十万円の罰金を科されました。

 公明党山形県本部は四月二十八日に志田議員が逮捕された後の一日の記者会見で、事実を認め、謝罪したうえ、同議員を党から除名することを発表しました。

 政党にとって、金で票を動かす選挙買収事件は、政党の基本姿勢にかかわる重大問題。なのに、公明新聞は除名も、事件そのものも全国の読者には知らせてはいません。

■支援の見返り

 事件の背景にあるのが、選挙協力です。

 県議選で、自民陣営が公明党・創価学会の支援を受けたのは西置賜郡区、東根市、天童市、新庄市の四選挙区。いずれも定数が削減されたり、保守同士のたたかいとなった激戦区で、公明党・創価学会は四選挙区で自民候補を中心に支援。一方、支援を受けた陣営はその見返りに山形市区で公明党の寒河江政好県議を支援する、というものでした。

 選挙にくわしい自民党職域支部幹部は、「県議選では、公明党と自民候補の間で大掛かりな選挙協力がおこなわれた。山形でははじめてのことで、事件になったようなカネも動いたということだろう」と語ります。

 この結果、山形市選挙区の公明県議は、一万三千六百三十票を獲得。前回比で、約二千票を伸ばしてトップ当選しました。一方、公明党が支援した四候補は当選したものの、自民党の松野県議・元副議長は買収容疑で、新庄市区選出の山科朝雄前議長は自由妨害の容疑でそれぞれ逮捕されました。

■創価学会には

 松野県議にかかわる一連の買収事件では、「総額三百万円を超える」(山形新聞)工作資金が流れたと報道され、公明党議員が受け取ったカネもこうした資金の一部だったというわけです。

 県内の元自民党幹部は、こう語ります。

 「公明党の支援をうけるというのは、創価学会の支援をうけるということ。私自身、自民党で活動していたころ、創価学会幹部に会って支援を頼んだことがある。今回、公明党議員への十万円が罪に問われたが、はたして事件はそれだけなのか、創価学会には働きかけがなかったのか、知りたいところだ」

 起訴された公明党町議と松野陣営幹部は、支持票集めのため、西置賜郡区内の町の創価学会幹部らにいっしょにあいさつ回りをしたこともすでに報道されています。それだけに、創価学会のかかわりもふくめて事件の徹底究明が求められています。 


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp