日本共産党

2003年5月25日(日)「しんぶん赤旗」

「売り上げ500億円」と試算

JAPICがカジノ調査報告書

500万人来場/賭博に1人10万円/かけ金の10%胴元に


 鉄鋼、ゼネコンなど大企業でつくる日本プロジェクト産業協議会(JAPIC、会長・千束晃新日鉄会長)はこのほど、「カジノ制度構築に向けた諸課題と対応策」と題する報告書をまとめました。鹿島建設、清水建設、竹中工務店など大手ゼネコンも加わる「都市型複合観光事業研究会」が作成したものです。

 カジノは刑法で禁止されている賭博です。石原東京都知事は「大企業に打診して…お台場で土地を借りて(カジノを)やってもらおうと思う」(二月七日の記者会見)などとのべ、東京都や大阪府、静岡県、和歌山県、宮崎県の五都府県が研究会をつくってカジノの実現を働きかけています。

 今回の報告書は昨年二月の報告書に続くもので、こうした行政側の働きかけに呼応して、カジノ開設に本腰を入れる姿勢を打ち出しています。

 賭博の町、アメリカ・ラスベガスをモデルに、カジノ施設の床面積を二万三千平方メートルと想定。カジノの施行者の地方公共団体が、民間事業者に土地を格安で貸しつけ施設建設や運営を委託する方式で、民間企業は八十二億円を投じてカジノを建設。年間五百万人が来場し、一人がカジノ賭博に十万円をかけると想定し、かけ金の10%が胴元の収入になるとして、収入は年間五百億円と試算しています。

 地方公共団体は、カジノ収入の15%(七十五億円)を国に税金として支払い、民間企業への委託費二百二十五億円を差し引くと、収益は二百億円になるとしています。

 大手ゼネコンと地方公共団体が、二人三脚で乗り出そうとしている違法なカジノ賭博計画には、主婦連合会や新日本婦人の会、自由法曹団など多くの市民や市民団体が「射幸心をあおるカジノ賭博など、とんでもない」と批判し、反対運動がおきています。

 報告書自身、暴力団などの介入、ギャンブル依存症の増加、青少年や風紀・環境への悪影響があることを認め、「対応策」なるものに言及しています。しかし、どんな対応策をもってしても、カジノが有害な賭博であり、社会不安を増大させるものであることには、何ら変わりありません。


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