日本共産党

2003年5月2日(金)「しんぶん赤旗」

米・EU・ロ・国連 中東紛争解決へ新提案(ロードマップ)

05年にパレスチナ国家樹立へ

民族自決権であいまいさ


 【ワシントン30日浜谷浩司】米国、欧州連合(EU)、ロシア、国連の四者は三十日、イスラエル・パレスチナをはじめ中東紛争の包括的解決をめざすとして、二〇〇五年のパレスチナ国家樹立を目標に三段階の道筋を明示したロードマップ(行程表)を公表しました。


 文書は同日、ヨルダン川西岸のラマラで国連のラーセン中東特使からパレスチナのアッバス首相に、また、エルサレムで米国のクルツァ駐イスラエル大使からイスラエルのシャロン首相に、それぞれ手渡されました。ラマラでは米、EU、ロシアの各代表も同席しました。

 文書は米国が主導し、国連、EU、ロシアが加わって作成したもの。昨年中に作成され、パレスチナや欧州諸国などが早期の公表を求めてきましたが、アラファト議長の排除をめざすブッシュ米政権が、パレスチナでアッバス新内閣が成立するまで伏せていました。文書は、首相を国家建設にあたるパレスチナ側の責任者とみなしています。

 ▽第一段階(今年五月まで) パレスチナ側が暴力やテロを無条件放棄し、さらに、国家樹立に向けて憲法を制定し、自由選挙を行う。これらを前提として、イスラエル側は、二〇〇〇年九月二十八日以降に占領した地域から撤退し、パレスチナの住民生活の正常化に必要な措置をとる。イスラエルはすべての入植活動を凍結する。

 ▽第二段階(今年末まで) パレスチナ側の暴力放棄と民主化を前提として、住民生活の正常化と制度の構築を進め、暫定国家を創設する。パレスチナ選挙の直後に、四者の呼びかけで国際会議を開催し、パレスチナの経済回復と独立国家樹立に向けた過程を開始する。イスラエルとシリア、イスラエルとレバノンを含む中東の包括和平も視野に入れる。

 ▽第三段階(〇四―〇五年) 〇四年初頭に二回目の国際会議を開催し、パレスチナ独立国家の合意を承認するとともに、国境画定、エルサレムの帰属、難民帰還、入植地の扱いなどを含む恒久的地位決議採択への過程を開始し、また、中東の包括的和平の早期実現を後押しする。イスラエル・パレスチナ紛争を終結する。

 同文書はこうした計画を示したうえで、その実現に向けて四者が定期的に高官協議を行い、実施を援助していくとしています。


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