日本共産党

2003年4月29日(火)「しんぶん赤旗」

いっせい地方選挙の結果について

二〇〇三年四月二十八日 日本共産党中央委員会常任幹部会


(1)

 二十七日に投票がおこなわれたいっせい地方選挙の後半戦で、日本共産党は、一般市議選で九百四十議席、東京区議選で百三十議席、町村議選で九百四十三議席、合計で二千十三議席を獲得しました。

 現有議席の確保はできず、四年前の選挙に比べて、一般市議選で九十議席、区議選で十六議席、町村議選で三議席を後退させる結果となりました。わが党は、前半戦での後退から教訓を引き出し、前進に転じるために全力をあげましたが、有権者のみなさんのご期待にこたえる結果がだせなかったのは、たいへん残念です。

 ご支持していただいた有権者のみなさん、党の前進のために力をつくしていただいた党員、後援会員、支持者のみなさんに、心からのお礼を申し上げます。

 後退したとはいえ、わが党は、前半戦と後半戦で、あわせて二千二百二十七議席を獲得し、非改選の議席をあわせて、わが党の地方議員数は四千二百九議席と、ひきつづき地方議会第一党です。女性議員数もだんぜん第一党です。有権者のみなさんからあたえられたこの力を存分に生かし、住民の切実な要求の実現のために、全国各地の草の根で、力をつくす決意を新たにするものです。

(2)

 このいっせい地方選挙を通じて、日本共産党は、国民の立場にたった道理ある訴えと論戦をおこないました。

 前半戦は、米英軍による無法なイラク戦争のさなかでたたかわれ、わが党は、住民の生活、福祉、教育などの要求を前面にして、それを妨げる地方政治における「オール与党」による「逆立ち」政治の転換という中心争点をおしだすとともに、イラク戦争に反対し、世界の平和のルールを守ることを正面から訴えました。これは国民主権と反戦平和をつらぬいてきた党ならではの真価を発揮した、重要な意義をもつ訴えでした。

 後半戦では、情勢の新たな展開のもとで、市町村議選挙という、住民に密着した問題が問われる選挙戦の性格にふさわしく、国保、介護、子育て、環境など、暮らしの身近な問題とのかかわりで、自民・公明などによる住民不在の政治の現状を告発し、わが党の役割と実績、政策を訴えてたたかいました。

 これらの訴えと論戦は、それが届いたところではどこでも、有権者の支持と共感を広げました。それは、多くの政党が、国政でも地方政治でも政党らしい政策と展望を語れなくなっているもとで、日本共産党の値打ちをきわだたせるものでした。私たちは、いっせい地方選挙でかかげた政策、公約を実現するために、力をつくすものです。

(3)

 わが党は、今回のいっせい地方選挙を、「いったん押し込まれたところから、逆に押し返し、新たな党躍進の波をつくる――『反転攻勢』によって、新しい上げ潮の流れをつくりだす」(第五回中央委員会総会決定)として位置づけてたたかいました。

 前半戦と後半戦を通じて、現有議席の確保ができなかったことは残念ですが、そのなかでも「反転攻勢」にむけた足がかりをつかむことができたことは、今後につながる重要な成果です。

 わが党が獲得した得票数は、四年前の得票数にはおよばないものの、二〇〇一年の参議院選挙の比例代表選挙を、全体としてうわまわりました。立候補した選挙区の得票を同じ選挙区でえた二〇〇一年の参院選の得票と比較すると、前半戦の道府県議選挙では32%の得票増(得票増の選挙区は88%)、後半戦の一般市議選挙では12%の得票増(得票増の選挙区は74%)、町村議選挙では11%の得票増(得票増の選挙区は81%)などとなっています。

 日本共産党が無党派の人々と本格的に共同する流れをつくりつつあるところでは、新たな前進をかちとっています。前半戦の徳島県、長野県での前進につづいて、後半戦で日本共産党員が首長をつとめている四つの自治体の議員選挙――東京・狛江市、岩手・陸前高田市、秋田・湯沢市、長野・坂北村で、全員当選をかちとっていることは、きわめて重要です。岡山・金光町では十一人目の共産党員首長が誕生しました。米軍基地問題が大きな争点になった沖縄・宜野湾市長選での勝利も重要な意義をもつものです。

 わが党は、これらの新たな前進への足がかりとなる成果を確信に、国政と地方政治での党の本格的な上げ潮をつくるために、力をつくすものです。

(4)

 残念な後退をきっした直接の原因として、有権者にたいするわが党の働きかけ――宣伝と組織活動の総量が、四年前と比べても不十分な結果に終わったということは、今回の選挙での大きな反省点です。

 その根本には、党の基礎力量の問題があります。わが党は、二〇〇一年の参院選での後退を総括して、「どんな『突風』がふいても、それにたちむかって前進できる質量ともに強大な党をつくる」ことが何よりも重要であるという教訓を引き出し、「党員と読者拡大の大運動」などにとりくむなど、わが党の基礎力量を高めるために、力をそそいできました。これらの努力は、前進の芽をつくりだしつつありますが、まだ本格的な前進の軌道に乗っているとはいえません。

 たとえば今回の選挙は、党と国民の結びつきのバロメーターである「しんぶん赤旗」読者数が、四年前の選挙に比べて日刊紙で85%、日曜版で84%というなかでたたかわれました。新しい世代に後継者をつくる課題や、職場に強大な党をつくる課題も、今後の全党の探求と努力がもとめられる問題となっています。私たちは、「量質ともに強大な党」をつくるために、知恵と情熱をかたむけ、あらゆる力をつくす決意です。

 今回の選挙で、反共攻撃は、低劣、卑劣、無法な政治的退廃をむきだしにしながら、激しくおこなわれました。しかし、わが党はこの攻撃にたいし、論戦では完膚なきまでに論破し、全国どこでも怒りと気概をもち、勇敢にたちむかいました。これは今後に生きる大きな前進です。同時に、反共勢力がビラや口コミで広くまきちらしたデマや中傷による毒素の沈殿を、全有権者の規模で一掃するにはいたっていないことも事実です。ここでも草の根のたたかいで、わが党が反共毒素を一掃する力量をもつことが、今後の大きな課題となっています。

(5)

 選挙結果についての総括は、党内外の方々の意見に耳を傾け、つぎの中央委員会総会でおこなうことにします。

 つぎのたたかいは、総選挙と参院選です。日本共産党は、今度の選挙から教訓をひきだし、きたるべき政治戦で、国民の期待にこたえる本格的な党の上げ潮をつくりだすために、全力をつくすものです。


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