日本共産党

2003年3月31日(月)「しんぶん赤旗」

国防総省委責任者を辞任 リチャード・パール氏

疑惑まみれの超タカ派


 米国防総省の諮問機関である国防政策委員会の責任者を辞任すると二十七日に発表したリチャード・パール元国防次官補(61)は、ブッシュ政権取り巻きの超タカ派の代表的人物で、イラク・フセイン政権打倒の軍事作戦の強行を早くから主張してきました。今回の辞任の原因とされた通信会社グローバル・クロッシングへの顧問活動以外にも疑惑が指摘されています。

 「暗黒のプリンス」の異名をもつ同氏は、経営破たんしたグローバル・クロッシング社の外国企業への株式売却で国防総省の承認を得るにさいし口利き役をつとめ、交渉成立時には七十万ドル(八千万円)以上の報奨金を獲得することになっていました。

 国防政策委員会の構成員は「政府特別職員」であり、地位を利用した利益獲得を禁じる倫理行動規範の順守を求められています。パール氏は同委員会責任者は辞任するものの、その一員としてとどまる意向です。コンヤーズ下院議員は、パール氏の企業との関係について調査するよう国防総省に求めるとしています。

 パール氏はまた、Eメールや電話を盗聴する高性能コンピューターを各国情報機関に販売する英企業オートノミー社の役員も務め、対テロ戦争や対イラク戦争の遂行で個人的にも利益を得る立場にあるとの批判を受けています。同氏は最近も、イラク攻撃によって生じる投資機会について投資家に助言する会合に参加したと報じられています。

 パール氏は軍事関連のベンチャービジネス、トライリーム・パートナーズ社の役員もしており、同社への投資を希望したサウジアラビアの武器商人カショウギ氏との関係をめぐる疑惑も指摘されています。

 パール氏は他の十七人とともに一九九八年一月にクリントン大統領(当時)に書簡を送り、フセイン政権封じ込め政策は失敗したとして、フセイン打倒が「米外交政策の目的となる必要がある」と主張しました。同書簡には、ラムズフェルド現国防長官、ウルフォウィッツ同副長官、アーミテージ現国務副長官らが名を連ねています。(ワシントンで坂口明)


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