日本共産党

2003年3月7日(金)「しんぶん赤旗」

自動車のスズキ

労基署欺きサービス残業隠す

パソコンの“勤務記録改ざん”

参院予算委で筆坂政策委員長追及


表
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 不況下に増え続けるサービス残業。六日の参院予算委員会で筆坂秀世議員は、この法律違反の企業犯罪を隠ぺいするカラクリを明らかにしました。

 とりあげたのは自動車メーカーのスズキの実態です。過去にも白い修正液で残業時間を改ざんするなどし、何度も改善命令を受けた「札付き」の企業。この日発覚したのは、パソコン上の記録から残業記録を消し去るという隠ぺい工作です(別図)。

 「労働者から内部告発があった」。筆坂氏は資料を配布しました。

 スズキでは、従来手書きだった勤務記録表が、今年一月からパソコン管理にかわりました。勤務開始・終了時刻を、労働者が自分で入力します。サービス残業がゼロになるよう偽りの時刻を打ち込んでも、パソコン処理時刻が記録に残ります。勤務終了時刻とパソコン処理終了時刻の間に差があれば、サービス残業があることが一目りょう然です。

 「それを欺く対策がとられた」。筆坂氏は「レコード作成日時削除対応専用」と明記された、スズキの秘密プログラム(資料)を示しました。労基署立ち入り調査に備えたシステム変更です。

 議場に驚きの声がひろがるなか、「徹底調査し、改善すべきだ」と迫る筆坂氏。労基署調査を欺くスズキの隠ぺい工作が示されたのに、松崎朗労働基準局長は「現場の監督署を信頼して任せている」とのべるにとどまりました。

 筆坂氏は、スズキの鈴木修会長が「スズキ企業倫理規程」で企業がルールを守ることの重要性を説いていることを紹介し、「やっていることは正反対だ」と批判。日本経団連会長でトヨタ会長の奥田碩氏も、自分の足元の実態を棚に上げて「大企業ではときどきサービス残業がある」と人ごとのように言っていることもあげ、「二十一世紀、サービス残業がない日本にする必要がある」と首相にせまりました。

 首相は「サービス残業をなくすよう、政労使一体となって解決する必要がある」と答えました。

 筆坂氏は、スズキの鈴木会長、日本経団連の奥田会長を参考人として招き、国会でサービス残業根絶を真剣に議論することを提案しました。


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