2003年2月27日(木)「しんぶん赤旗」

政府は「先行減税」言うが…

中小企業・庶民には９．３兆円増税

大企業・資産家には８兆円も減税

吉井議員の試算で判明　衆院委

質問する吉井議員＝26日、衆院財務金融委員会

　日本共産党の吉井英勝議員は二十六日の衆院財務金融委員会で、財務省資料の分析結果を示し、大企業・資産家向けの先行減税財源が国民向けの増税で穴埋めされる仕組みを明らかにしました。

　この間、政府は〇三年度税制「改正」について「多年度税収中立」などといって、「七年間で増減税は同額になる」「増税ばかりを強調するな」と主張してきました。しかし、来年度から三年間は「先行減税」期間として大企業・資産家向けの減税が実施されますが、三年目からは中小企業・庶民増税の影響が本格的に出始め四年目には増税基調に反転。五年目以降は中小企業・庶民向けの増税だけがそのまま「恒久」措置として押しつけられることになります。吉井氏は、この七年間の増減税額の累計を財務省資料をもとに試算（表）。大企業・資産家向け減税七兆九千億円の穴を中小企業・庶民増税九兆三千億円で埋めるしかけが浮かびあがりました。

　吉井氏は、「税制『改正』法案の本当の姿は、『多年度税収中立』の仕組みを取ることで、個人所得税と消費税の負担強化を押しつけるものだ」と指摘。塩川正十郎財務相は、「五、六年前から所得税の減税をしてきた。配偶者特別控除の廃止はたいして大きい増税ではなく、均衡をとったという程度のもの」などと答弁しました。