日本共産党

2003年2月5日(水)「しんぶん赤旗」

小泉「地方行財政改革」許せません

保育に3つの大問題

(1)幼・保一元化(2)国庫負担削減(3)給食室廃止

安心して子育てできる環境を

公的責任でつくってこそ


 「国から地方へ、官から民へ」をスローガンに、「地方行財政改革」を乱暴に進める小泉内閣。その中で、保育制度の根幹を揺るがす改悪が狙われています。保育の現場に、何をもたらそうとしているのかを見てみると―。

 「昨秋から保育制度のさらなる改悪につながる三つの重大な問題が提起されています」―全国保育団体連絡会主催の「1・22署名提出決起集会」で、上野さと子・全国保育団体連絡会会長が指摘したのは、昨年十月、「地方分権改革推進会議」が「最終報告」で提言した三点です。

幼稚園や保育園もっと充実を

 一つは、幼稚園と保育所の、制度と施設を一元化する問題。就学前の幼児教育をおこなう幼稚園(文部科学省管轄)の国家予算は、福祉施設である保育所(厚生労働省管轄)の国家予算の十分の一です。現在、保育園に通う子どもの数は幼稚園児の数を抜き、半数以上の幼稚園で、夕方までの「預かり保育」を実施しています。

 「提言は、『幼稚園と保育園の中身がほとんど同じになったから』と、幼・保に対する国の関与や、補助負担金を見直して、幼・保を地方自治体の判断で一元化できるように児童福祉法を見直そうというもの」と上野さん。国は、公立保育所の民営化・企業参入で公的責任を後退させ、幼・保一元化を利用して保育予算を大幅削減する狙いです。「国民が願う幼稚園、保育園の機能の充実、真の意味での幼・保一元化とは何か、幼稚園関係者とともに考えることが必要」と語りました。

全体カットが始まる恐れ…

 二つは、保育所運営費・施設整備費国庫負担金の一般財源化問題です。

 この問題について、都留文科大学の中西啓之元教授は、「保育所運営費・施設整備費国庫負担金は保育所の運営費や施設整備費に当てられ、それ以外の使途が認められない特定財源です。一般財源化とは『地方分権の時代』を口実に国庫負担をなくし、地方交付税交付金を含めた一般財源で自由にやってもらおうということ」と説明。

 「財政危機のもと、国庫負担金に見合う額を、地方自治体の財源で保障できるかどうかは難しい。さらに保育料の体系自身を変えて応益負担で高額一律の保育料を徴収するとか、企業への委託等を含む多様な事業者を参入させるなど、各自治体ごとに対応せざるをえなくなる」と語りました。

 来年度予算案ではすでに、障害児保育事業の一般財源化が提示されています。地方の負担だけで障害児保育を行うことになれば、現状の水準を維持することは困難です。「これは全体をカットする始まり。許してはいけない。政府は少子化は困るといいながら、具体的施策は逆。公的保障を増やし、保育の質を守りながら、安心して子育てできる環境を作ることが必要。その財源はある」と中西さんは語りました。

一気に給食の外注化進める

 三つは、保育所調理施設の必置規制の撤廃が提言された問題です。「保育所給食の役割を軽視し、外注化を一気に進めるもの」と、抗議行動が展開され、現段階では厚生労働省もその必要性を認めています。しかし「構造改革特区」の課題として、幼・保一元化を進めるための設置基準の統一(=保育所だけに義務付けられている調理室設置義務の廃止など)や資格試験の統一が明記されており、上野さんは「予断を許さない状況」とのべました。

 「国の施策に欠けているのは、子どもには人権がある、という意識。児童福祉法にあるように、児童の育成に責任を負う主体は『国及び地方公共団体』なのです」と上野さん。子どもの人権を尊重した保育を公的責任で―幅広い運動が求められます。


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