日本共産党

2003年1月19日(日)「しんぶん赤旗」

地域の教育学部守れと共同進む

「30人学級のたたかいで展望開きたい」

法人化反対でも運動の可能性広がる

全国各地の運動団体などと日本共産党国会議員団との懇談会から


 日本共産党の国会議員団が十六日、国会内で開いた国立大学法人化・教員養成系学部の統廃合問題懇談会では、統廃合に反対する運動を広げている報告や、法人化問題でも、法案提出を許さないたたかいを広げていこうという発言があいつぎました。


 山形県からは、「山形として三十人学級を独自にがんばっても計画の条件がなくなるというのはブラックジョークだ。絶対に教育学部を残してほしい。三十人学級を国の責任で実施させる運動が非常に重要。表裏の問題だ。三十人学級のたたかいを大胆に展開していけば大いに展望が開けてくるだろう」(山形大学教育学部の灯を守ろう県民署名連絡会)という提案が出されました。

 県内に教育学部を残すことを求めて二十万人を超える署名が集まった群馬県からは、群馬大学教育学部の教員が、「二十万署名の叱責(しっせき)を受け」て、学部の三分の二にあたる教員有志が「群馬県に教育学部キャンパスを残すことを求める」声明を発表したと説明しました。

 北海道教育大学では統廃合問題がもちあがっています。同大釧路校教員は「北海道東部の教員の多くを釧路校が輩出している。その他の管内からも輩出されているが、なかなか地域の教員として根付かないという問題がある。釧路校が縮小あるいはなくなれば地域の教育、特に、へき地教育を担う教員がいなくなる」と述べました。さらに同大札幌校教員は「釧路校の教員や地元のみなさんが大奮闘し、存続という方向を見いだすという形で、運動が起こっている」と報告しました。

 法人化の先取りともいえる実態も、報告がありました。東京地区大学教職員組合協議会からは東京医科歯科大学歯学部では教員の任期制が敷かれ、教授による助教授以下の評価で、国際誌への論文掲載が六点、特許取得十二点、外部資金三百万円以下二点、同一億円以上百二十点など、点数化がはじめられていると発言がありました。宇都宮大学では、農学部の百ヘクタールの農場のうち約半分を文部科学省から「売れ」といわれており、学部長が思案していることなどが報告されました。

 公立大学についても、東京都や大阪府が進めようとしている統廃合・法人化により、東京で約二割、大阪で約25%の大学教員削減計画があることが紹介されました。

 こうした中、法人化の中身が明らかになればなるほど、新たな運動の可能性が広がっていることが報告されました。新潟大学の教員は「学生に法人化について授業をした先生がいたが、ものすごく反響が良かった。『こんなことが自分たちのところでやられているのに自分たちはなにも知らないことを恥ずかしいとおもう』などという変化も生まれている。学生に対しても訴えていきたい」と述べました。

 全国大学高専教職員組合は、「原案だが大規模な中央行動、国会請願行動を計画している。大会で通れば、今日集まった団体のみなさんとも広く共同してやりたい。学内の状況の変化に確信を持ち、国民にどう広げるかという問題と、二つを重点にがんばりたい」と決意表明しました。また、全教、新婦人、全学連、国公労連、全院協などから運動を広げようという発言がつづきました。


釧路市教育長らからメッセージ

 懇談会には各地各界からメッセージが寄せられ紹介されました。

 そのなかで、釧路市教育委員会の山田和弘教育長は、北海道教育大学釧路校の「存続に向け、関係機関と連携し、積極的な活動を展開していきたい」とのべています。

 日本高等学校教職員組合(藤掛登委員長、東京都千代田区神田)は「地方の教育の中核を担っている国立大学の法人化・教員養成系学部の統廃合問題は、公立学校教員にとっても、その養成・研修に重大な支障をきたしかねません。存続に向けて、共に運動を進めましょう」とよびかけています。


石井郁子衆院議員の報告

法人化と統廃合は一体“法案提出許さぬ”今が大切

 「国立大学法人化・教員養成系学部の統廃合問題懇談会」での石井郁子衆院議員(党副委員長)の報告は要旨つぎのとおりです。

質問、国立大訪問…党国会議員団の活動

 小泉内閣の大学の構造改革方針にたいし、日本共産党国会議員団は二十回の質問、十六国立大学訪問を重ねてきました。学長らから法人化や再編統合にたいする困惑の声を聞いてきました。教員養成系学部の統廃合では、日本共産党の提言(「国民の立場で大学改革をすすめる提案」二〇〇二年四月)にある「その県の子どもたちをその県の出身者が教え、育てる」重要性にふれた個所に「これが問題の核心です」との賛同の声がよせられました。

教員養成系の統廃合 文科省の目論見後退

 文部科学省は一県一教員養成学部の原則を崩す方針(教員養成系懇談会報告、二〇〇一年十一月)を示し、各大学に期限を切った検討を求めました。しかし、私たちの国会での追及の結果、「地元関係者のご理解もえなければいけない話」と答弁し、「統合しないからといってペナルティーを課すものではない」とのべるにいたっています。

 「平成一四年度中に再編・統合計画を策定する」との文科省の当初の目論見(もくろみ)が大きく後退したのは、各地のたたかいがあったからです。群馬での県民二十万人が賛同した署名運動など、各地で教育学部を守れの運動が広がりましたし、地方議会が存続を求める決議をし、知事が文科省に要請する県も生まれました。統合を決めたのは島根、鳥取両大学の一組だけですが、油断せず運動を広げていこうではありませんか。

法案の作成前から強引に法人化準備

 文科省は、法人化を二〇〇四年度からはじめると、準備を各大学に強引に押しつけています。「法律もないのに準備をすすめるのは、国会を無視した、官僚の暴走」とのわが党の追及に、事実上の陳謝の答弁をせざるをえませんでした。法人化のスケジュールなどを、追及逃れのため「未定稿」として配るなどは許されません。

大学の財政責任を国が負わない危険

 文科省の法人化構想は、各大学の中期目標を大臣が定め、中期計画も大臣が認可するものです。これを許せば、教員養成学部の統廃合問題への統制も強まります。統廃合問題を法人化問題と一体のものととらえることが大切です。

 二月末か三月上旬に提出するという法人化法案は、関連法案が四十数本という膨大なものです。国立大学協会は昨年九月、国立大学の設置者は国という「基本的な枠組みは堅持する必要がある」と文書で明示しました。しかし文科省は、当初、国としていたのに、その後変化し「調整中。決まっていない」と国会で答弁し、法案では、設置者は国でなく法人になる可能性が大となりました。大学の財政責任を国が負わない仕組みができる危険があります。教育基本法の改悪とあわせて、法人化法案提出を許さない、この時期のたたかいがきわめて重要です。


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