日本共産党

2003年1月9日(木)「しんぶん赤旗」

女性に24時間勤務提案

東武鉄道

「均等」どころか働く権利奪われる…

職場に 不安、怒り広がる


 東京・浅草から栃木・日光や、池袋から埼玉県などに路線が走る東武鉄道(本社・東京都墨田区)は、四月から駅で働く女性たちに二十四時間にわたる一昼夜勤務を押しつけようとしています。「労働条件の切り下げだ」「条件のない女性を退職に追い込みかねない」と怒りがひろがっています。


 現在、東武鉄道で働く女性の多くは、バスの車掌や貸し切りバスのガイドとして就職し、ワンマン化などで職種変更を余儀なくされた人たちです。駅業務者は現在三十八人、全員が勤務時間八時間十五分の日勤です。切符の精算や、客の問い合わせへの対応、アナウンス、車内点検などをおこなっています。

 会社の提案は次のような内容です。▽駅勤務の女性は、男性が行っている朝から翌朝まで二十四時間の一昼夜勤務(仮眠時間は四時間程度)を四月から実施する▽駅勤務以外の女性も一昼夜勤務職場への異動を実施する―など。

 会社は、導入の目的として現行の「定員外」配置の削減をうちだし、女性を日勤に限定するのは「男女雇用機会均等法の立法趣旨に反するとの指摘がなされるおそれがある」などとしています。

 女性たちは、「一昼夜勤務は希望した本人だけにしてほしい」「均等に働くどころか、女性は働き続ける権利自体が奪われる」「家に帰っても子育てや介護がある女性もいます。条件がない女性は辞めろというようなもの。人減らしにつながる」と憤慨します。

 勤続四十年、四年半前から駅で働いている田中恵子さん(56)=仮名=は「駅勤務になってから慣れるまで足腰は湿布薬だらけでした。月に何回もマッサージに通わないと体がもちません。このうえ二十四時間勤務なんて、働き続けられません」と訴えます。

 骨の病気で通院しながら働く森宮晶子さん(51)=仮名、勤続三十六年=も、「生きるとは働くことだと思って、一生懸命がんばってきました。定年まで働きたいのに、二十四時間勤務なんてとんでもない」といいます。

 駅で一昼夜勤務を三十七年間している大附D雄さん(57)は、「横になってもすぐには眠れないし、睡眠時間が少ないから疲れます。男でも体が弱い人にはちょっと無理でしょう。女の人にはきつい。それに酔客も多くて危ない」といいます。実際、大浮ウんも胸ぐらをつかまれ食ってかかられることもしょっちゅう。泥酔した客になぐられ前歯が欠けた男性駅員もいます。

 女性たちは、「昼間でも駅員が女性だと、切符の不足分を指摘しても無視したり、大声でからんでくる人もいる」と、深夜勤務への不安を募らせます。

 宿泊施設や条件もまったく不十分です。「家族でもない男性と同じふろは嫌だ。結局、女性は入らなくなってしまう」「駅から数百メートル離れた所に仮泊室がある所もあるが、事務室と同じ場所にほしい。女性が一人で寝ていると分かると怖い」「パジャマ姿もボサボサ髪も見られたくない。トイレもふろも仮泊室内にほしい」「女性は顔を洗ったらすぐ仕事に就けるわけじゃない。化粧やふろの時間がほしい」。女性たちは異口同音にいいます。

(※読めないブラウザがあります。大浮ウんの浮ヘ、山に竒の漢字です)


条件整備と「本人同意」を

 東武鉄道労働組合は、(1)妊娠中は日勤とし、外部作業(線路内、ホーム客扱い)は行わない(2)小・中学生を持つ女性で本人希望があったら日勤にする(3)仮泊場所は駅舎内とし、ふろ、仮泊室は女性専用とし二重施錠とする(4)現場日勤、乗務区、車掌区の庶務係は現行とする(5)日勤勤務職場の拡大、など十項目の要求をまとめています。

 女性たちは、会社が提案する一昼夜勤務は、「均等法二条の女性労働者が性別により差別されることなく、かつ、母性を尊重されつつ充実した職業生活を営むことができるようにするという基本理念に反する」「今働いている女性たちは一昼夜勤務を認めて採用されたわけではなく、会社提案の導入を認めれば、労働条件の不利益変更を認める道を他社にも開くことになる」と批判します。

 そして「導入するなら条件を整備することとあわせ、実施には本人同意が必要だということを労使で協約化してほしい」と話しています。


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