日本共産党

2003年1月4日(土)「しんぶん赤旗」

労組、自治体、経営者と対話広げ

雇用守るたたかい 地域から

「経済活性化」でも共同

福島県労連 意気高く


 戦後最悪水準の失業情勢のなかで明けた二〇〇三年。雇用を守るたたかいを地域からと、福島県労連(福島県労働組合総連合、全労連加盟)は、地域の労働組合との共同を広げ、自治体や経済団体への申し入れ、懇談にと出足早くとりくもうと意気込んでいます。


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雇用を守るたたかいを地域からまきおこそうと宣伝する福島県労連と福島地方労連の人たち=福島市

9割の自治体と昨年、意見交換

 県労連は、昨年のとりくみで大きな手ごたえをつかんでいます。その一つが昨年で四回目になる「雇用問題自治体キャラバン」。約九割にあたる七十九市町村と懇談し、首長や助役が多く応対してくれました。企業の撤退やリストラの状況、高校生の就職問題、雇用対策交付金事業のとりくみで意見交換をしました。

 「最初は『労働組合が何しに来たんだ』と身構えられることもありました。今では地域住民の雇用や地域経済を守るために涙ぐましい努力をしている話も聞かせてもらえます」と県労連の小川英雄議長(53)はいいます。

 キャラバンに先立って、各自治体に出した雇用・福祉・教育についてのアンケートには、九十市町村すべてから回答が寄せられました。

 県内の雇用状況は深刻です。製造業は一九九一年に八千二社二十四万八千人が働いていたのが、二〇〇一年には五千八百六十九社十九万一千人に落ち込んでいます。

 自治体幹部は「最高時千百人いた町内最大企業が、現在は派遣労働者を含め二百三十人に減った。町内の企業が合同で毎年実施していた学校との懇談は、新規採用企業が皆無のためできなくなった」(塩川町)、「企業のオーダーメードで工業団地に工場を完成させ、採用者の内定も出ていたが、突然進出が見合わせられた」(相双地方)と大企業などの無責任ぶりを怒りを込めて告発しました。「雇用は国そのものの政策を変えなければだめだ」と公然と小泉内閣の政策を批判する首長もいます。

民主自治体が雇用確保策

 「自治体側の真剣な話に身が引き締まる思いでした」。こう話すのは、福島市と伊達郡の一市九町で活動する福島地方労連の菅原一志議長(50)。

 同地方は、この一年間で日本共産党員町長の霊山町を含む一市三町が民主自治体になりました。

 そのなかで、一昨年十一月に民主市政に転換した福島市では、市独自で一億二千七百万円の経済・雇用対策事業費を計上し、不法投棄されたごみの撤去や公園の樹木剪定(せんてい)などで八百三十人の雇用を確保しました。保育所や学校、公民館などの施設の小規模修繕工事を一般入札資格のない中小業者を登録し、当面五十万円未満の修繕工事(予算は五億円)を発注する制度をつくりました。

 霊山町では、町長報酬を削減した財源で小口の生活資金援助制度を創設しました。近隣の町で同調する動きがあります。

 本宮町、大玉、白沢両村では、松下電子部品の工場撤退を食い止め、一部を除いて工場の存続を実現しました。

 福島地方労連はまた、県北の三百四十労働組合に春闘での共同行動や医療改悪阻止の署名をよびかけた案内を送り、労組訪問を行ってきました。

地方労連加盟 労組が次々

 何らかの共同や情報交換ができる組合はのべ三十近く。こうした対話と共同の活動のなかで、十年間で十八組合を結成・地方労連に迎えました。二千人で出発した地方労連は、十年余で三千六百人に前進しました。

 全国で七カ所残っていた生糸工場、福島蚕糸従業員組合は昨年一月、四十三人全員に解雇が通告されたのを契機に地方労連に加盟しました。未払いの退職金の支払いや再就職先を求めて、雇用先だった農協側とねばり強く交渉を続けています。

 従業員組合の役員をしている斎藤三江子さん(59)は「県労連や地方労連の人たちとは何回か情報交換していましたが、全員解雇通告はとても私らの手におえないと話し合い、知恵と力を貸してもらいました。たたかわなければ雇用も生活も守れないということを知りました」と語ります。

 自治体キャラバンの先頭に立ってきた、ハイヤータクシーの労働者でつくる自交総連福島地方連合会の山崎良博委員長(53)は「私たちも七年前にゼロから出発し、現在は九組合二百人になりました。中小経営と組合員の雇用・生活を守るたたかいを一体のものとして、県労連や地方労連とたたかってきた成果です」。

 倒産しかかっていたタクシー会社を労資協議を重ね、組合員の努力で立て直し、「この組合がなかったら、会社はつぶれていた」と感謝する経営者もいる、といいます。

 小川議長は話します。「企業倒産、解雇、賃下げ…小泉『構造改革』で地域経済はほんとに大変です。雇用や地域経済の活性化を求める運動は、地方政治を変える勢いで広がっています。この流れを大きくしていくために大いに奮闘したい」

 (名越正治記者)


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