2002年12月30日(月)「しんぶん赤旗」
「六十八歳で初めて机に向かい教えていただいたうれしさを今でも忘れません」。十二月中旬、都内で開かれた全国夜間中学校研究大会に参加した広島県の生徒、山本静枝さん(71)はいいます。不登校からひきこもりになった埼玉県在住の女性は、「死ぬ前に一度だけ勉強したい」と東京・荒川区の夜間中学に電話をかけてきました。
![]() 夜間中学で学ぶ喜びを語る山本静枝さん=12日、都内でおこなわれた全国夜間中学校研究大会 |
いろんな理由で義務教育を受けられなかった人たちにとって、夜間中学は大事な「学びの場」を保障するところです。
しかし、夜間中学は大阪に十一校、東京に八校など一部の都市に点在するだけ、全国八都府県にしか存在しません。入学を希望してもあきらめざるをえません。それでも、九州や東北から引っ越して入学する人もいます。
全国夜間中学研究会などは来年二月、日弁連への人権救済の申し立てをおこないます。このなかで、文部科学省、自治体が、学習権保障のため、各都道府県・政令指定都市に一校以上の夜間中学校を設置することなどを求めます。
最近の夜間中学では中国帰国者やその家族、国際結婚や就労のために来日した外国人の入学が増えているのが特徴です。ある夜間中学の教師は「十代後半の外国人や帰国者が夜間中学の門をたたく背景には、昼間の中学入学を拒否されるという実情もある」と指摘します。
東京都夜間中学校研究会の調べでは十五歳から十七歳の外国籍の夜間中学生の多くが「学齢を超える」との理由で昼間の中学入学を拒否されています。
全国夜間中学校研究会は、日本で文化的な最低限度の生活を送ることができるように(1)外国人・帰国者に対して基本的な日本語教育を保障する(2)来日時に学齢期の年齢を超えていることを理由に中学入学を拒否しないこと――などを求めています。
同会人権救済申し立て委員会の関本保孝委員長は「すべての子どもの教育を受ける権利を認め、教育機会を保障するよう求めている『子どもの権利条約』や『国際人権規約』に照らせば、外国人生徒にも教育機会を保障することは当然です。そのことがすべての子どもたちのためのよりよい学びにつながります」と話しています。