日本共産党

2002年12月22日(日)「しんぶん赤旗」

列島だより

増えるマンション 管理は修繕は


 都市部で広く普及するマンション。維持・管理問題や分譲・管理業者とのトラブルなど、特有の問題もたくさんあります。日本共産党は「住まいは人権」「住民こそ主人公」の立場で、居住者や管理組合のみなさんと快適・安心のマンションライフづくりに取り組んでいます。


共産党 建替え問題など法改善主張

全国に担当専従者置き奮闘

大森猛衆院議員

 日本共産党は全国にマンション問題担当の専従者を配置し、マンション相談会やマンションシンポジウムなどを開催し、マンション住民の要望や快適なマンション生活実現のために奮闘してきました。私の住む神奈川県でも、二十年前から相談会活動を行い、今年だけでも全県で二十回開催しています。

 また、党国会議員団の中にマンション問題対策委員会を設け、積極的に取り組んできました。

 一方、先の臨時国会では、マンション居住者の権利・義務、共同管理のルールなどを規定した建物区分所有法(マンション法)「改正」案が成立しました。「改正」案の中心は、もっぱらマンションの建て替えを促進しようとするもので、これまで必要とされてきた老朽、損傷など客観的な建て替え要件を撤廃し、区分所有者の「五分の四以上の賛成」だけで建て替えを行うことができるようにしました。

 マンションの建て替えは、いずれ必要な時は来ます。建て替えをスムーズに進める仕組みも必要です。しかし、今回の「改正」案は高齢者など建て替えに参加できない居住者の追い出しを容易にするもので、日本共産党は、修正案を出して原案に反対しました。この審議のなかで、法案が、建て替えで大もうけを狙う大手不動産・デベロッパーの要求に全面的に従ったものであることが浮きぼりになりました。

 党国会議員団マンション問題対策委員会は、マンション管理組合団体や居住者などとの懇談を、国会や北海道、千葉、名古屋、大阪、九州などで行うとともに、「区分所有法改定にあたっての見解と提案」を発表(十一月十二日)しました。

 その中で、(1)建て替え資金支援制度の充実や第三者機関の設置など、建て替え対策を居住者の立場ですすめる(2)定期診断制度や大規模修繕、耐震改修、バリアフリー化への資金支援など建物の長命化を支援(3)公共的設備の管理負担軽減(4)分譲時の消費者保護のための事前審査制度―を提案。さらにはそれらを含む「マンション管理支援法」の制定を提案しました。

 政府案への明確な対案を示したのは日本共産党だけでした。今後もこれら提案の実現をめざし、全力で奮闘します。(党国会議員団マンション問題対策委員会委員長・衆院議員)


耐震、バリアフリー化へ助成

東京
写真
区の助成制度を利用して段差を解消したマンション(党板橋地区委員会提供)

 都内の分譲マンションは二〇〇〇年には百万戸を超え、ここ数年、毎年五万―六万戸ずつ 増え続けています。都内全住宅の五分の一以上、都心の港区、中央区では五割を占めるなど、主要な居住形態となっています。

 都議会の委員会でマンション問題が初めて本格的に議論されたのは、一九八五年三月、東ひろたか都議の質問でした。以来、党の都区市議団は、マンション住民と管理組合の声を実現するために奮闘してきました。

 共用部分の工事助成(九二年)、実態調査の実施、相談窓口の開設、維持・管理ガイドブックの作成・普及(いずれも九八年)、管理組合の求めに応じて専門家を派遣し維持・管理について助言する全国初のアドバイザー制度創設(二〇〇〇年)などは、いずれも党都議団の実績です。さらに都(二十三区)は、固定資産税・都市計画税について、マンション内通りぬけ道路の非課税、集会所、広場、倉庫などの条件付き減免措置を取りました。これらの成果は区市部にも広がり、江東区や板橋区ではバリアフリー工事への助成や拡充が実現しています。

 また、九五年の阪神淡路大震災を教訓に、党都委員会と緒方靖夫事務所は同年六月、マンションの耐震対策をテーマにシンポジウムを開催。この成果をもとに、区市議団の奮闘などで、耐震診断(十三区二市)と耐震補強工事(十区一市)の助成が実施されています。(党都委員会団地・マンション対策部 渡辺謙)


大規模修繕で助成求める

大阪

 私たち大阪市議団は、大阪市の全世帯数の約20%が分譲マンションに居住していることから、マンション問題は市の重大な社会問題の一つになりつつあると位置づけて重視してきました。

 一九九四年には大阪市に対し、分譲マンションの大規模修繕に対する助成制度の創設、プレイロットや集会所など共用部分の固定資産税の減免、専門家による相談センターや区役所に相談窓口を設置することを求めました。以後、耐震補強工事に対する補助、受水槽の清掃点検に対する助成、各戸水道メーター取り替え費用の公費負担、関西電力への電気室敷地の無償提供の是正、バリアフリー化・エレベーター内の防犯カメラ設置に対する助成など、毎年予算要求を行ってきました。

 また、居住者を対象にした要求アンケート、マンション問題懇談会の開催など、この問題では他党の追随を許さない取り組みを進めてきました。

 その結果これまでの成果として、大阪市が創設した住宅情報センターに相談窓口を設置、固定資産税について集会所は全面免除、プレイロットは三分の二の減免、防犯カメラ設置の補助、などを実現してきました。また水道メーター取り替えの公費負担についても「実施に向けて課題の検討をしてゆく」との回答を得ています。

 今後、大阪市でも、大規模改修や建て替え問題などが本格化することが予想され、引き続き取り組みを強めていきます。 (いなもり豊市議)


シンポ開き行政に住民の声

北海道

 北海道内でもマンション居住者の人口比が約三割とずば抜けて高い札幌市。マンション管理会社とのトラブルや「大規模修繕をどうしたらいいのか」など多様な問題が噴出し、行政窓口では解決しきれず、党の相談会などに来て相談するといった事例も増えています。

 十一月二十三日には、児玉健次、大森猛両衆院議員を迎え、党道委員会主催でマンション問題懇談会が開かれ、管理組合関係者や入居住民など、幅広い層からの参加がありました。

 懇談会では党の「区分所有法(マンション法)改定にあたっての見解と提案」が説明され、「行政による支援策は新しい発展だ。国民が主人公の党だなと実感した」と、提案を歓迎する発言もありました。また、懇談会後に電話で、「党の政策は全国マンション管理組合連合会の掲げる政策と全面的に一致している」との激励もありました。

 札幌市西区・手稲区で弁護士、建築士を招いてマンションシンポジウムを開き、そこで出された意見をまとめて道庁に要望書を提出した横山ひろ子道議候補の経験を紹介した発言は、住民の声を直接行政に届け、住民とともに実現を図る活動例として好評でした。

 「相談したい人がこれほど多いとは思わなかった」(札幌市西区)「北海道では、除雪問題、路上駐車問題、ロードヒーティング問題など特有のものがある」(同東区)などの感想も寄せられました。(北海道 小野真実記者)


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