日本共産党

2002年12月22日(日)「しんぶん赤旗」

自己情報コントロール権とは?


 <問い> 個人情報保護法案などで争点になっている「自己情報コントロール権」とはどういうものですか。(東京・一読者)

 <答え> 現代の高度に発達した情報化社会では、国家や企業などに無数の情報が集積されています。本人の知らないところでやりとりされた個人情報が、本人に不利益な使い方をされるおそれがあります。そのため、どんな自己情報が集められているかを知り、不当に使われないよう関与する権利(自己情報コントロール権、情報の自己決定権)を、プライバシー権として認めるべきだと考えられるようになりました。

 その内容については多くの見解がありますが、OECD(経済協力開発機構)理事会勧告の「八原則」などは、各国の政策にも反映されています。

 一九八〇年、OECD理事会は「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドラインに関する理事会勧告」を採択しました。この勧告の付属文書のひとつで「国内適用における基本原則」として、(1)収集制限(2)情報内容(3)目的明確化(4)利用制限(5)安全保護(6)公開(7)個人参加(8)責任―からなる八原則が示されています。

 例えば、個人情報の収集は制限が必要で、情報によっては本人同意が必要です(収集制限の原則)。収集情報は速やかに目的を明確化し(目的明確化の原則)、目的外に使用できません(利用制限の原則)。どんな個人情報があり、何に使い、だれが管理するかなどは容易にわかるようにすべきです(公開の原則)。個人は情報管理者に、自分にかんする情報の有無確認や、内容開示、消去、修正などを求める権利をもちます(個人参加の原則)。情報管理者はこれらの実施に責任を負います(責任の原則)。

 臨時国会で廃案となった与党三党の個人情報保護法案は、個人情報の目的外使用も「相当の理由」があれば可能など、「個人情報保護」の名に値しませんでした。与党は次期国会で修正法案の成立をねらいますが、本質的に違いません。

 (

 〔2002・12・22(日)〕


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp