日本共産党

2002年12月1日(日)「しんぶん赤旗」

日本の森衰退に警鐘

自然守る全国集会 NGOら運動を交流

埼 玉


 「未来につなげよう森と里山」をテーマに、全国の自然保護のとりくみを交流する「日本の森と自然を守る全国集会」(主催・日本の森連絡会、後援・日本自然保護協会、日本野鳥の会、日本勤労者山岳連盟など)が三十日から三日間の日程で埼玉・東松山市の大東文化大学で始まりました。

 乱開発から森と自然を守ろうと一九八八年に長野市での開催以来十五回目。国有林などの森や、身近な雑木林や水辺の保全にとりくむ環境NGOや研究者、学生ら二百人以上が参加し、ダムや道路などの乱開発や地球温暖化などで、崩壊の危機が迫っている森と里山を未来に引き継ぐために立ち上がろうと、運動を交流しました。

 この日開かれたシンポジウム「里山から考える自然保護と環境まちづくり」では、市民が手をたずさえて進めてきた身近な狭山丘陵などの里山保全運動の経験や、タンポポ調査を通じた都市の緑地・オープンスペースの保全のとりくみなどを交流しました。

 ゲスト・コメンテーターの鷲谷いづみ東京大学教授は、生物多様性条約を採択した「地球サミット」十周年をむかえた現在、乱開発ばかりか、農林業の弱体が里山や自然を衰退させ、自然界に存在しない有害化学物質のはんらんも生物や自然界を脅かしていると強調。森や里山の衰退は生物多様性の危機でもあると警鐘を鳴らし、研究者と市民の協力や環境教育など里山保全の多彩なとりくみの大切さを訴えました。

 登山家の田部井淳子さんが記念講演。山岳環境保護の活動などの体験をまじえ、ことしの国際山岳年にあたっての思いを語りました。


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