2004年8月26日(木)「しんぶん赤旗」
全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)が提起した「食料自給率の抜本的向上を求める請願」の署名運動が始まっています。“命の源”である食料の安定供給、安全・安心は国民の願いです。群馬県で活動する健康相談機関「群馬健康会館」の人たちは署名を広げています。
![]() 群馬健康会館の玄関に置かれた署名用紙(右下)にも患者さんが署名していく、という宇津野ユキさん |
同県群馬町にある「群馬健康会館」は、食事療法を中心に重いがんや糖尿病など生活習慣病の克服に挑んでいます。
自給率向上署名は、農民連の機関紙に載った署名用紙を拡大コピーし、六月から取り組んでいます。すでに百人以上の賛同署名を集めました。
同会館を主宰する保健師の宇津野ユキさん(69)と西本多美江さん(79)は「私たちは食事療法を中心に、患者さんの持つ免疫力を高めて病気を克服します。だから、国内産のもの、地場産で旬の農産物が絶対必要なんです」といいます。
患者さんたちとの「友の会」総会でも署名運動を紹介しました。「みなさんは日本の農業の大切さを自分のこととして考えています」と宇津野さん。会館の玄関に置かれた署名コーナーには、相談に訪れる患者や家族の人たちが積極的に応じています。足が不自由な女性は、周りの人にすすめ四十人近い署名を集めています。
西本さんは、「人間はその気候・風土に順応した食文化が一番良い。生活習慣病が若い人に多いのは、洋風化をすすめた学校給食にも問題がある」と指摘します。
同会館は、遺伝子組み換えでないことがはっきりしている国産大豆で豆腐づくりの指導もします。「消費者は安全意識が強くなってきた。生産者は消費者の命を守る努力、消費者は生産者の経営を守る運動をやらないと“空念仏”になる」と宇津野さんと西本さんは強調しました。
食健連の食料自給率向上国民署名 「国内生産を増やし、国の責任で、食料自給率を抜本的に向上させること」が国会請願事項です。政府自身が決めた2010年までに自給率45%の達成とさらなる向上を求めます。5月の全国食健連総会で確認し、来年春をめどに100万を目標とする運動をすすめます。