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2023年5月16日(火)

きょうの潮流

 グループサウンズが全盛だった60年代。ひとりの人物が日本の芸能界に新風を吹き込みました。歌って踊れる少年グループの誕生。それが多くのファンを巻き込みながら成長してきたジャニーズです▼創業者は米国のショービジネスを学んだジャニー喜多川氏。4年前に亡くなるまでタレントの発掘や育成の全権をにぎり、事務所を運営してきた姉のメリー喜多川氏とともに一大勢力を築き上げました▼長年ジャニーズを取材してきた作家によると、ジャニー氏には口癖がありました。「ぼくはどんな少年でもスターにできる。ただし、ぼくが好きになった子でなければダメ」。所属の少年たちを「うちの子」と呼んではばからない関係は「性的な好き嫌い」とも結びついていたと(『異能の男 ジャニー喜多川』)▼絶対的な権限をもつ創業者から所属タレントが性被害を受けたとされる問題で、ジャニーズの現社長がおわびを表明しました。事実と認めることは容易ではないとしながらも▼ジャニー氏による性加害は、これまでも一部メディアや海外の放送局で取り上げられてきました。週刊誌との裁判でもセクハラ行為はあったと認定されています。しかしジャニーズ事務所は顔を背けてきました▼性加害の検証と謝罪を求める署名を集めたファン有志の団体は、どのような方法で被害者と向き合っていくのか続報を待ちたいといいます。重い口を開いた性被害者の告発。華々しさの裏で少年たちの夢を食い物にしてきた罪は決して消えません。


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