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2023年3月9日(木)

きょうの潮流

 あがめた人と、自身をダブらせたのか。森友学園への国有地売却問題で「私や妻が関係していたということになれば首相も国会議員も辞める」と国会で言い放ったあの姿に▼安倍政権下の報道介入を克明に記した文書。立憲民主党の議員から国会で追及された当時の高市早苗総務相はまったくの捏造(ねつぞう)文書だと反発し、そうでなければ大臣も議員も辞職するかと問われると「結構ですよ」と開き直りました▼その後、総務省はすべて同省が作成した行政文書であることを認めて公開。しかし高市氏は、自分に関しての内容は不正確で捏造であると言い張っています。文書には大臣室での高市氏とのやりとりも残され、同氏が特定のテレビ局をあげて「公平な番組なんてある?」と問題視する様子も▼文書は政権に批判的な番組に圧力をかけるため、官邸が放送法の解釈変更を迫った記録です。政治的公平性についてこれまで政府は放送事業者の番組全体を見て判断するとしてきましたが、それを一つの番組でも判断できると圧力を強めました▼高市氏はその後の国会で電波停止を命じる可能性まで言及、安倍首相も追認しました。報道の自由を脅かす権力による言論弾圧。それに屈したのかニュース番組やワイドショーから政権を批判する報道やコメンテーターが次々と消えています▼戦争国家づくりの一方で森友問題をはじめ政治を私物化し、言論機関にも介入してきた安倍政治。この負の遺産を受け継ぐ岸田政権とメディアの姿勢も問われています。


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