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平井哲史さん(弁護士)

解雇に負けない!――サポート部隊がいますよ

 16歳のアルバイトの女性が、茶髪を理由に解雇されたことは無効だとして青年ユニオンに入って頑張っている、という記事が最近の「しんぶん赤旗」に載りました。

今回は、労働相談のうちもっとも多い解雇への対処を書いてみます。

「小学校の学童保育指導員をしていたけど、4回目の勤務で突然解雇された。悔しい」という声がありました。理由の説明もないとのことでした。入ったばかりで理由もなく首を切られたら悔しいですよね。

労働基準法22条では、使用者は、労働者が書面で退職の理由を示した書面の交付を求めた場合にはこれを交付しなければならないとしています。まず、使用者に対し、書面で解雇理由説明書の交付を求めてみたらいいでしょう。なお、送る書面は後に証拠となりうるものですから、コピーは手元に残すようにしてください。

開示された解雇理由が納得できないものでしたら、使用者と交渉する必要があります。この交渉をするにあたり、労働組合に相談して、場合によっては組合に加入していろいろな援助を受けるといいでしょう。ただ、組合の中には、相当高額な対価を要求するところもあり、私は、そういう組合は感心しません。

解雇理由が開示されない場合や、解雇理由が正当なものか判断できない場合などには、弁護士に相談してみてください。労働基準法18条は、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、かつ、社会通念上相当と認められない場合には無効となると定めています。ですから、使用者は、客観的に見て合理的といえる理由がなければ解雇はできません。労働者の側に手ひどい落ち度がなければそうそうクビは切れるものではないのです。理由が開示されない場合には、そうした態度自体から解雇に合理的な理由がないことを推認できると言えます。

解雇が無効となれば、出勤できなかった期間の賃金を請求できます。厚生年金や健康保険などの資格も回復できます。あまりひどい態様だった場合には慰謝料請求も可能です。

弁護士や労働組合へのアクセスですが、タウンページに電話番号が載っていますし、いまどきはインターネットで検索すればより詳しい情報が得られます。また、労働組合に相談すれば、たいがい付き合いのある弁護士のところに連れて行ってくれますし、日本労働弁護団が、週火木で無料の電話相談を受け付けていますから、そこに電話してみるのもいいでしょう。

解雇は悔しいけれども、生活費に困るから裁判とかは難しいと思われる方もいます。そういうときは、ハローワークで失業給付の仮給付の申請をするといいでしょう。また、「法テラス」というところでは、弁護士費用を払えない人のために、一時的な立て替えをしてくれます。

普段は目に留まらなくてもみなさんのかたわらには、サポート部隊がいることを覚えておいてください。 


プロフィール

ひらい・てつふみ

1969年生。1994年早稲田大学法学部卒。2001年弁護士登録。東京法律事務所所属。登録以来,労働事件と労働運動を主たる分野として取り組む。個人加盟組織の出版情報関連ユニオン顧問。日本弁護士連合会憲法委員会幹事、第二東京弁護士会人権擁護委員会委員、自由法曹団事務局次長。一児の父。

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