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大木寿さん(全労連・全国一般労働組合 中央執行委員長)

写真職場でのいじめや納得できない処遇の問題が寄せられています。そのような問題がおきる原因はどこにあるのでしょうか

 
 私は、労働組合の仕事をしています。みなさんの声を読むたびに、その願いを実現し、苦難を打開するために運動を強めなければと思っています。みなさんの問題は、個人の力だけでは解決が困難な内容がほとんどです。私たち労働組合はパートなどの不安定雇用労働者、中小零細企業で働く労働者の賃金・労働条件を良くし、労働者の権利を守り、改善させる運動をしています。
 みなさんの苦難のおおもとを解決するには、非正規雇用を正規雇用にすること、生活できる賃金、技能に見合う賃金にすること、労働者の権利と人権を守らせること、非正規雇用の失業・医療年金などの保障をさせることです。これらのことは、EUなど先進国の常識となっています。
 そのために、正規雇用を大幅に増やすこと、最低賃金を時給1000円以上(生活できる最低賃金)にし、同じ仕事をしている労働者の賃金を同じにすること、非正規雇用の雇用期限・賃金・労働条件・社会保障を正規雇用と同じ(均等待遇)にすることが必要です。
 私たちはこれらの要求を実現する運動を進めてきました。多くの労働組合やマスコミ・研究者・国会議員・自治体などに賛同がひろがってきましたし、少額ですが最低賃金も引き上げさせました。さらに運動をひろげて、大きな世論にして、政府に認めさせ、経営者に守らせたいと思っています。そのためには、みなさんをはじめ苦難を抱える人が私たちの運動への理解と賛同を寄せていただき、運動に参加していただくことが何よりも大切になっています。
 職場でのいじめや納得できない処遇の問題が寄せられています。そのような問題がおきる原因はどこにあるのでしょうか。一般的には、深刻な雇用情勢のもとで、経営者に「代わりの人間はいくらでもいる。安くこき使えばいい」という考えがありますし、中小企業の経営者の多くは「守るべき法律」を知らないと思われます。労働者は過重な仕事と成果をあげることを求められ、管理職も含めて、多くの人が「自分を守る」のに精一杯という現状ではないでしょうか。あなたと同じように「これっておかしくない? 許せない!」と思う人が職場にいるのではないでしょうか。信頼できる人たちと職場の問題を話し合い、どうすれば良くしていけるかを相談し、みんなで力をあわせて、上司や経営者に意見を述べる勇気が必要だと思います。
 しかし、横暴な経営者や管理職は、みなさんの意見に対して、嫌がらせを強める危険があります。一番確かな道は、みなさんが1人でも入れる労働組合に加盟し、その組合役員と相談をして、問題を解決していくことです。
ぜひ、全労連の労働相談ホットライン(0120・378・060)に電話してみてください。


プロフィール

おおき・ひさし

(家族)妻:保育士、子ども:2男2女
(趣味)山登り、スキー、旅行
(略歴)
1943年 東京生まれ。5人兄弟の末っ子
1971年 電子部品メーカーSMKの神奈川工場で組合結成。委員長に選ばれる。
会社は組合つぶしのために、私を配転命令拒否を理由に解雇。組合員の脱退や6年半のたたかいで勝利し、私は労働組合の仕事(専従)につく。
1987年全国一般労働組合神奈川地方本部の副委員長に選出される。労働相談・組合づくり、解雇や倒産、経営危機などの対策とたたかいに明け暮れる。
1989 年 全労連・全国一般労働組合が結成され、中央本部書記長に選ばれる。
2002年 中央本部委員長、全国労働組合総連合(全労連)副議長に選ばれる。

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