94、紛争の平和的解決へ
ロシアのウクライナ侵略―――国連憲章・国際法にもとづく解決、和平交渉を
2024年10月
ロシアによるウクライナ侵略は開始から2年半以上が経過し、戦争の終わりが見えない状態が続いています。その責任は、国連憲章を蹂躙して無法な侵略をつづけるロシアにあります。日本共産党は、ロシア軍のウクライナからの即時・全面撤退を強く求めます。
ウクライナでの流血と破壊を止めるため、国際社会と関係国に、国連憲章、国際法、ロシア軍の即時撤退を求めた4回にわたる国連総会決議にもとづき、すみやかな和平交渉を開始することを求めます。侵略を終わらせるため、「国連憲章を守れ」の一点での世界の結束を呼びかけます。
米政権が「民主主義対専制主義の闘い」のスローガンで世界に分断を押し付けていること、ロシアの侵略を非難する一方で、イスラエルによるガザ攻撃を擁護し、軍事支援を行うという「ダブルスタンダード」をとっていることは重大です。「国連憲章を守れ」の一点で世界の圧倒的多数の国ぐにが結束することこそ重要です。
侵略とそれによる破壊と殺戮に対するロシアの責任は明白です。そのうえで、戦争という悲惨な結果になった背景には、「力対力」に陥った外交の失敗があったことを指摘しなければなりません。
ヨーロッパでは、ソ連崩壊後、欧州安全保障協力機構(OSCE)というロシアと全ヨーロッパの国ぐにを含めた包摂的な枠組みがつくられ、OSCEを「紛争の平和的解決のための主要な機関」(1999年の欧州安全保障憲章)に定めました。しかし、この機能は生かされず、NATO(北大西洋条約機構)諸国もロシアも、軍事力によって相手の攻撃を「抑止」するという戦略をすすめ、「力対力」に陥ってしまいました。
この失敗を東アジアで繰り返してはなりません。排他的な枠組みによる「力対力」に陥るのではなく、包摂的な平和の枠組みをつくり、それを安全保障の第一に位置づけて発展させることにこそ、ヨーロッパから引き出すべき最大の教訓があります。
日本共産党の志位和夫議長は今年8月末、招待を受けて参加したドイツ・ベルリンでの国際会議で、以下のように発言しました。