53.防災・減災、老朽化対策
大規模開発優先から安心・安全の防災・減災、老朽化対策に転換を
2024年10月
災害やインフラ老朽化を原因とする事故が多発する日本列島で、国民の命と財産を守ることは政治の要諦であり、従来の延長線上ではない防災・減災、老朽化対策の抜本的な強化が求められています。
ところが自公政権がとっている防災・減災、老朽化対策は、災害の規模や頻度、更新時期を迎えているインフラの数や規模に対して全く不十分と言わざるを得ません。
防災、減災、老朽化対策が不十分な一方で、自公政権は、不要不急の大型開発事業には多額の予算を支出しています。大規模開発・新規建設を抑制し、防災・減災のための事業、インフラや公共施設の維持・更新・耐震化事業に予算の重点的、優先的な配分を行い、人的資源も、優先的に投入できるように、公共事業政策を根本的に転換します。
防災対策
流域全体を俯瞰した流域治水対策のさらなる促進を
―――市民目線でのインフラ総点検など実態・現状把握をすすめ、危険個所の指定公表、ハザードマップ作成など全国ですすめます。
―――気候変動による激甚化・頻発化する災害に対応した河川整備計画や防災計画の見直し、まちづくり計画に反映させます。
―――治水対策の在り方を、ダム建設に頼るやり方から、河川改修等を優先した流域治水対策への転換を確実に実行します。
―――河川堤防の強化へ、ハイブリッド堤防など耐越水堤防の整備をすすめとともに、支流と本流の合流地点付け替え、排水場施設整備などバックウォーターや内水氾濫対策、浸水箇所の嵩上げ、遊水池、貯水池の設置など流域治水対策を強化します。
土砂災害・土石流対策
―――土砂災害危険箇所の調査・情報公開を徹底し、危険区域からの移転を、補助制度の拡充や危険地の公有地化などの支援で促進します。
住宅の耐震化、液状化対策
―――住宅の耐震化を加速させるための国の支援を強化します。
―――地方自治体での液状化ハザードマップ作成を国が援助します。
―――住宅・建築物安全ストック形成事業、宅地液状化防止事業とその効果促進事業(社会資本整備総合交付金)、と地方自治体の独自支援を組み合わせ、一体的に活用できる取り組みを促進します。
―――液状化対策強化へ宅地造成法等の見直し、公的支援の取り組みを強化します。
上下水道施設の耐震化
―――上下水道施設の一体的な耐震化を加速させるために地方自治体への交付金の増額をはじめ、国の支援を強化します。
老朽化対策
道路・橋りょう・トンネル
―――今後100年近く高速道路の新規建設を続けられるスキームを撤廃し、老朽化したインフラ施設の修繕のための財源確保と修繕完了のための国の対策を強化します。
学校・公営住宅・公共施設
―――公共施設縮減を前提にした国の自治体に対する「数値目標」の押し付けをやめさせます。
―――各種の公共施設は、”住民が生活し、地域社会が存続していくうえで重要な役割を果たすとともに、地方再生の重要な基盤”という立場で、老朽化対策、維持・更新事業の計画づくりを住民参加ですすめます。
地方自治体の防災・減災・老朽化対策への国の支援の抜本的強化、住民参加で災害に強いまちづくりを
道路、橋りょう、トンネル、河川、上下水道などの土木インフラや、学校、社会教育施設などの公共建築物は、ほとんどが地方自治体の管理です。これらの防災・減災対策は、地方自治体の姿勢と取り組みがカギとなります。
しかし、地方自治体には、これら対策に取り組むための予算も体制も現場の技術力も決定的に足りていません。国が押し付ける自治体リストラとともに、建築確認など従来、行政が行ってきた業務を民間に開放する規制緩和が現場の技術力を低下させる原因となっています。
―――インフラの総点検を繰り返し実施するために、市町村に対し、計画策定と点検費用を国が全額補助するとともに、必要な建設・土木技術者を国の責任で確保し、総点検ができる体制をつくります。
―――地方の要望額の6割程度にすぎない国の防災・安全交付金の配分率を100%にするとともに、交付金の総額も大幅に増額します。
―――市町村への国の補助率のかさ上げと、市町村の単独事業となっている維持管理費を補助対象に拡充し、財政難による必要な修繕や防災対策の「先送り」が起きないようにします。
―――災害危険個所の調査、防災インフラの緊急点検を行い住民に公開するとともに、ハザードマップの作成、見直しをすすめます。
―――災害の頻発化、激甚化などの教訓をふまえ、これまでの防災安全対策を検証し、地域防災計画を見直します。とりわけ、ダムに依存した河川整備計画は根本から見直します。
―――まちづくり計画を防災優先にし、浸水想定区域や土砂災害危険区域など災害リスクが的確に反映されるようにします。
➡各分野の政策「48、国民のための公共事業政策」ごごらんください。